くにおん*Garden
【開催レポート】「くにおん100フェス!」熱気と多彩な響きが交差するDAY2「Campus Harmony」
創立100周年という記念すべき節目を迎えた国立音楽大学にて、2026年6月27日(土)、「くにおん100フェス!」DAY2が盛大に開催されました。「Campus Harmony」というテーマの通り、キャンパス全体が音楽を「楽しむ・体験する・聴く」喜びに包まれ、地域の子どもたちから熱心な音楽ファンまで、幅広い年代の笑顔が交差する一日となりました。本レポートでは、広大なキャンパスの各会場がどのような熱気に包まれていたのかを余すところなくお伝えすべく、全プログラムの詳細な様子をまとめてお届けします。
★音・音楽を楽しむ!★
[A]幼児と児童のためのアウトリーチコンサート
・14:30〜15:00「事前ワークショップ」
・15:15〜16:15「アウトリーチコンサート」
定員30名の整理券がすべて配布終了となる大盛況ぶりで迎えた事前ワークショップ。参加できるのは子どもたちのみで、この後のコンサート本番で、学生たちと一緒に「ぼよよん行進曲」を披露するための特別練習です。
まずは11人の学生たちと一緒に、動きの真似っこからスタート。続いて、電子オルガンの音色から連想して体を動かしていきます。学生たちの生演奏に合わせて徐々に動きをつけていくと、会場内はいつの間にか楽しいリトミックの空間へと変化していきました。
その流れのまま、本番で披露する「ぼよよん行進曲」を通しで2回練習。子どもたちの飲み込みの早さは素晴らしく、あっという間に振り付けを吸収していく姿に、この後の本番ステージへの期待がぐっと高まりました。
15時15分、立ち見が出るほどの超満員でスタートした1時間のコンサート。
序盤は『さんぽ』『君をのせて』といったジブリ音楽で盛り上がり、ゲストの山崎朋子先生をお招きして『大切なもの』『変わらないもの』を披露しました。続いて、本学卒業生・村松崇継氏作曲の『いのちの歌』を学生たちがしっとりと歌い上げます。
中盤では、ワークショップで練習を重ねてきた子どもたちが登場!「リトミックコーナー」に続き、「横山だいすけコーナー」では『ぼよよん行進曲』をみんなで元気に踊りました。
最後は学生たちによる『ありがとうの花』、そしてアンコールの『怪獣のバラード』で会場が一体となり、大盛況のうちに終演いたしました。
[B]「感じてつながる♪ 音楽のちから体験ルーム」
「感じてつながる♪音楽のちから体験ルーム」では、音楽療法専修の学生たちとともに、音楽が持つ「人と人をつなぐ力」を身をもって体験するセッションです。
教室に足を踏み入れると、三宅博子准教授のクラリネットと岡崎香奈教授のピアノによる美しい生演奏が参加者を迎え、会場にはたちまち温かな雰囲気が広がりました。室内には多種多様な楽器が用意されており、参加者たちはその中からお気に入りの一つを選びました。開始を待つ間、手にした楽器の音色を確かめながら、これから始まるセッションへの期待を膨らませていました。
セッションが始まると、教員の伴奏にのせて、一人ずつ自分が選んだ楽器の紹介を行いました。 それぞれの楽器が持つユニークな特徴や音色を全員で理解しながら、少しずつ音を重ねてアンサンブルを試みていきます。
最後は、参加者全員による心を一つにした合奏で締めくくられました。初対面同士であっても、音楽のちからは言葉の壁も越えて、誰とでも深く思いを共有することができる。その大切な気づきとともに、会場全体が笑顔と一体感に包まれた、とても素敵な体験ルームとなりました。
[C]幼児音楽教育専攻による第71回「七夕祭」
幼児音楽教育専攻の学生たちが企画・運営する伝統行事、第71回「七夕祭」がDAY2と同時に開催されました。本イベントは、手遊びや歌、ダンスなどを交え、子どもから大人まで一緒に音楽を楽しめる多彩なプログラムが特徴です。今年はハンドベルの美しい演奏や、七夕をテーマにした参加型のオリジナル音楽劇、さらには楽器の生演奏で効果音をつける絵本の読み聞かせなど、例年以上に工夫を凝らした内容が展開され、会場は終始子どもたちの笑顔と温かい空気に包まれました。その中から一部プログラムをご紹介します。
【ハンドベルリンガーズ Claire】
ハンドベルの演奏会には小さなお子様がたくさん来場されていました。季節的に七夕が近いということで「たなばたさま」が選曲され、歌詞を知っている子どもたちは嬉しそうに歌を口ずさんでいました。また、「勇気100%」もよく知られている楽曲ということもあり、多くの子どもたちが熱心に聴き入っていました。知っているメロディーが流れるたびに会場は明るい雰囲気に包まれ、来場者の皆さまが楽しそうにハンドベルの美しい演奏を聴いている様子がとても印象的でした。
【ピーターパン(七夕の劇)】
幼児音楽教育専攻の学生が主体となる団体障がいのある子どもたちの為の音楽研究会 ピーターパンでは、織姫と彦星が離れ離れにされてしまい、彦星が織姫に会うために音楽にまつわる試練に挑む、という七夕の劇が行われていました。その試練として、ハンドベルの演奏や、ピアノの伴奏に合わせたタンバリンの演奏などが披露されました。客席の前方には小さなお子様がたくさん座っていたこともあり、「これはどうやって演奏するのかな?」と、子どもたちへ問いかけながら巻き込む形で楽しく進められていきました。音楽を通して会場全体の距離が縮まり、来場者の皆さまとも仲を深められたということで、最後は「ともだちになるために」を全員で合唱し、大盛況のうちに終演を迎えました。
★音楽を見る! 知る! 体験する!★
[D]タイムトリップ 1926!――蓄音機で聴く100年前の音楽
図書館では、蓄音機で100年前の音楽世界を体験する特別イベントが開催されました。約15万点の楽譜を所蔵する当館は普段は一般公開されていませんが、この日は特別にイベントのために開放されました。
4階では、全4回にわたるSPレコード鑑賞会を実施しました。ここで当時の轡きを蘇らせたのが、1925年にビクター社から発売が開始された蓄音機の名機「クレデンザ(Victor Victrola Credenza)」です(図書館所蔵の機器は1928年に製造されたものと推定)。電気を一切使わず、木製キャビネット内部に折りたたまれた巨大なホーン(ラッパ)の共嗚だけで音を増幅させる仕組みで、「アコースティック蓄音機の最高峰」と称されています。クレデンザ特有の迫力ある低音と豊かな音色が部屋中に響き渡り、誰もが静かに聴き入っていました。当日の鑑賞プログラムは以下の通りです。多くの方にご来場いただき、どの会も席が埋まり立ち見をされる方が出るほど大盛況でした。
• 13:30~ : ベートーヴェン「交響曲第5番『運命』より第l楽章(ワルター指揮)」、ベートーヴェン「ピアノソナタ『月光』より抜粋(ペトリ/ピアノ)」
• 14:00~ : モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジークより抜粋(ワルター指揮)」、ショパン「子守歌(マルグリット・ロン/ピアノ)」、トマ「歌劇『ミニョン』より『君よ知るや南の国』(ランツアク/ソプラノ)」
• 14:30~ : ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲(メンゲルベルク指揮、コンツェルトゲボウ交響楽団)」、シューマン「子供の情景第1曲~第5曲(コルトー/ピアノ)」、サラサーテ「サバテアード(ジンバリスト/ヴァイオリン)」
• 15:00~ : J.シュトラウス「ウィーンの森の物語(ワルター指揮)」、シューマン「子供の情景第6曲~第8曲(コルトー/ピアノ)」、ワーグナー「タンホイザー行進曲(プレビ指揮)」
2階では「100年前の書斎」や「セノオ楽譜とその時代」などの展示コーナーを設け、貴重な資料を展示しました。また、スタンプを3つ集めてプレゼントがもらえる「ミニスタンプラリー」や、専用の「フォトスポット」もこ家族連れに大人気でした。
歴史ある貴重な資料と、名機が紡ぐl00年前の響き。国立音楽大学の歴史と音楽の美しさを同時に味わえる、まさに「タイムトリップ」な素晴らしい空間となりました。
[E]ミュージカル・ワークショップ〈民衆の歌〉《レ・ミゼラブル》を一緒に歌おう!
新1号館オーケストラスタジオでは、ミュージカル・ワークショップ〈民衆の歌〉《レ・ミゼラブル》が開催されました。本ワークショップには本学ミュージカルコースの在学生・卒業生と一般の参加者の方を合わせて約140名が参加しました。
冒頭で中西聡准教授から当時の社会情勢といった作品背景の解説と共に、「今から皆さんには約200年前のフランス人になってもらいます」というコメントがありました。本島阿佐子教授の発声練習とストレッチで体が温まったところで、いよいよ東宝ミュージカルのマエストロ・若林裕治講師の指導の始まりです。若林講師は全身を使って指揮をしながら、「誰かにメッセージを伝えるために歌う」ことを受講生へ向けて伝えていました。受講生も若林講師の言葉をすぐに吸収し、段々と顔つきが変わっていきます。後半は在学生のリードで、今回のワークショップで初めて会った人同士でコミュニケーションを取り、体を使った表現もできるようになりました。最後は圧巻の大合唱で、見学者の中には涙ぐむ人もいました。
この後、講堂大ホールで行われた本番では、大編成のオーケストラと一緒に見事な〈1日の終わりに〜民衆の歌〉が披露されました。作品の登場人物の心情を理解し、表現することを通じて、自分自身が何かに強く憧れる気持ちも観客に伝えることができる。ミュージカルが持つ力を改めて実感したワークショップでした。
[F]音楽データサイエンス・ワークショップ くにおん生が驚くほど上手にピアノを演奏しよう
6号館東棟113室では、音楽データサイエンス・ワークショップが開催されました。音楽データサイエンス・コース履修生が開発したピアノの演奏技術力診断アプリケーションを、来場者に体験いただきました。当日はプログラム参加者が途切れることなく続き、小さいお子様から大人の方まで幅広い年齢層の方が本ワークショップへ参加されました。
参加された方は、設置されたピアノでスケールを弾き、手指の動きや演奏情報をもとに「くにおんピアノ科レベル」「くにおん副科レベル」「くにおん入学前レベル」の3段階で演奏を評価されます。より上を目指そうと、リベンジされる方もおり、楽しみながら音楽とAI技術の融合を体験いただきました。
電子技術をピアノへ組み込み、情報技術の仕組みを理解して音楽に転用することで、技術を補填したり伸ばすヒントを得られる音楽データサイエンスの可能性を感じていただけたのではないでしょうか。
[G]音楽デザイン・ワークショップ〈クリミワリアライズ〉くにおん発 音楽アプリで即興劇を作ろう!
音楽デザイン・ワークショップにて、音楽デザイン専修が開発した音楽アプリ「音たっちくん」を用いた楽曲制作体験が行われました。
参加者はチャイコフスキー作曲のバレエ音楽《くるみ割り人形》より、「こんぺいとうの踊り」「ロシアの踊り」「あし笛の踊り」の中から好きな1曲を選び、画面に手をかざして直感的に音を操るデジタル表現に挑戦しました。アプリでは最大100音まで音を出す(作る)ことが可能で、動物の音や自然の音、日常の音など、様々な音を出すことができ、手をかざすだけで自由自在に音を操ることができます。
また、アプリ内の豊富な音源に加え、会場に用意された楽器の音をその場で録音して取り入れるなど、こだわりの音探しが行われました。
参加者が創り上げた世界に一つだけの曲を発表し、最後は学生のヴァイオリン生演奏と参加者のデジタル楽曲が一体となった大合奏を披露しました。クラシックと最先端テクノロジーが見事に融合した、クリエイティブなひとときとなりました。
[H]みんなで歌おうワークショップ 「音楽の手紙(Musikalische Briefe)」特別便 〈清水などにまゐりて〉
2025年にドイツで世界初演された「清水などにまゐりて」は、今村央子教授による作曲で、歌詞には清少納言の『枕草子』の一節が用いられています。この作品の「日本初演」が、2026年6月27日(土)、来場者の皆さまとともに実現しました。
入室時に楽譜を手渡された来場者の皆さま。今村教授による歌詞解説に深く聞き入り、教員や学生のアドバイスを吸収しながら、日本語とドイツ語の双方で練習を重ねていきました。
最後には、来場者の皆さまそれぞれが日本語かドイツ語、自らの響きに合う好きな言語を選択し、声を一つに。会場全体が温かなハーモニーで満たされ、見事な歌声とともに、記念すべき日本初演のステージが美しく幕を閉じました。
[I]はじめてでも大丈夫!ガムラン・アンサンブル体験ー音で旅するインドネシア
今回のプログラムは、学生と講師による、バリ・ガムランの迫力ある演奏から始まりました。演奏者たちはインドネシアの伝統的衣装「カイン」を身にまとい、豪華な装飾が施された楽器から奏でられる音色は、耳の奥によく響き、様々な音が混ざり合う、これまでに聴いたことのない新鮮な響きでした。ガムランには楽譜がないのですが、太鼓に合わせて全員の息がぴったりと揃った見事な演奏が披露されました。
続くアンサンブル体験では、学生のサポートのもと、参加者が楽器の前に座って練習がスタートしました。楽器ごとに基本的な奏法からリズム、メロディーまで丁寧に教わり、いざ全員でアンサンブルへ。講師の合図で8拍のフレーズを繰り返し演奏する中で、音の強弱やテンポの変化、休符の取り方など、音楽的な表現を重ねるうちに、初めて触れる楽器とは思えないほど美しいアンサンブルが響き渡りました。体験は入れ替わりで計3回行われ、終了後には「初めて会った人同士で演奏するのが新鮮で面白かった」という感想も聞かれるなど、参加者にとって非常に貴重な体験となったようです。
また、会場には3枚のパネルが展示され、学生による丁寧な解説も行われました。西洋音楽にはない「うなり」がガムランの美しさの真髄であり、このうなりの効果によって音が遠くまで響き、儀礼の始まりを告げる合図の役割も果たしているとのことです。その他、歴史や楽器、演奏形態についての解説もあり、学生へ熱心に質問を投げかける参加者が多く、ガムランへの関心の高さがうかがえました。伝統的な音楽を「聴く」「奏でる」「学ぶ」のすべてが詰まった有意義なイベントとなっていました。
★音楽を聴く!★
[J]オーケストラ、吹奏楽、ジャズ、ミュージカルによるアウトリーチコンサート 教科書にのっている曲を生の演奏で聴こう!
講堂大ホールでは、16時30分から本日のフィナーレを飾る「オーケストラ、吹奏楽、ジャズ、ミュージカルによるアウトリーチコンサート」が開催されました。今回は「教科書にのっている曲を生の演奏で聴こう!」をテーマに、誰もが一度は耳にしたことのある名曲の数々が披露されました。
幕開けを飾ったのは、作曲専修の学生が公募によって書き下ろした100周年ファンファーレ「A memorable fanfare 〜for KCM's 100th anniversary〜」の初演です。華々しい金管楽器の響きが会場を包み込み、祝祭感あふれるスタートとなりました。続いて、吹奏楽による軽快な「キャンパス・フェスティバル・マーチ」、そしてフルオーケストラによるマスカーニのオペラ《カヴァレリア・ルスティカーナ》より〈間奏曲〉や、ヴェルディのオペラ《アイーダ》より〈凱旋行進曲〉が演奏され、生の楽器群が織りなす大迫力の音圧と繊細なハーモニーに、集まった観客は釘付けになっていました。
後半は雰囲気がガラリと変わり、ジャズ専修の学生たちによるスウィング感たっぷりのアンサンブルへ。「I Got Rhythm」「Tea For Two」「What A Wonderful World」といった名曲が披露され、会場は自然と手拍子に包まれて一体感が高まりました。
そして最後を飾ったのは、声楽専修やミュージカル・コースの学生、附属高校生たちによるミュージカル《レ・ミゼラブル》のステージです。日中のワークショップに参加した大学生や一般の受講生たちも合流し、フルオーケストラをバックに〈1日の終わりに〜民衆の歌〉を大合唱しました。参加者と学生たちが声を合わせた大迫力の歌声がホール全体に響き渡り、割れんばかりの拍手と熱気に包まれながらコンサートは幕を閉じました。
クラシックからジャズ、ミュージカルまで、音楽大学ならではの多彩なジャンルを一度に堪能できる、まさに「Campus Harmony」を体現した圧巻のステージとなりました。
[K]モーツァルト時代のフォルテピアノ 〜学生によるミニコンサート
【展示室見学】
古今東西の楽器、約2,600点を所蔵し、常時300点ほどを展示している楽器学資料館。
来場者の皆さまは各々自由に見学を楽しみながら、学芸員の解説に耳を傾けたり、熱心に質問を重ねたりされていました。また、展示室内の2箇所では、学生によるデモンストレーション演奏も実施。事前告知はせず、どの楽器の演奏に出会えるかは時間帯によって異なるため、入室したタイミングだけのワクワクするお楽しみ企画となりました。様々な地域と時代の楽器がずらりと並ぶ特別な空間のなか、熱心に見学される来場者の姿がとても印象的でした。
【 フォルテピアノ】
本学創立100周年を記念して製作された「フォルテピアノ」の演奏会。
はじめに、音域やペダルの位置の違いなど、私たちが普段よく目にするモダンピアノとの構造の違いについてわかりやすく解説。
次に、日本を代表するフォルテピアノ奏者であり、本学講師でもある平井千絵先生の指導のもと練習を重ねてきた、鍵盤楽器専修の学生4組による演奏が披露されました。
普段はなかなか耳にすることができない、歴史的ピアノならではの繊細で豊かな音色に、来場者の皆さまは熱心に耳をすませて聴き入っていました。
演奏会の後は、製作者である太田垣先生も交えての質疑応答。
来場者は近くからフォルテピアノを見たり、質問をしたり、余韻に浸りつつフォルテピアノへの理解を深めていました。
[L]公認サークル団体によるミュージック・リレー
7号館1階ステージでは、13時から16時にかけて、本学の公認サークル団体による「ミュージック・リレー」が開催されました。参加制限なしでどなたでも気軽に立ち寄れるオープンなステージとして展開され、常に多くの来場者で賑わいを見せました。
様々なジャンルの音楽に取り組む「くにおん」の公認サークルが次々とステージに登場し、日頃の練習の成果を披露しました。学生たちの自主的でエネルギー溢れる多彩な演奏が、まさにリレーのように次々とバトンを繋いで繰り広げられ、会場は終始活気に満ちていました。その中の一部のプログラムを紹介します。
くにたちクラリネットオーケストラでは、入学したばかりの1年生9名による演奏から、大和田智彦准教授と門下生によるステージまで、曲ごとに多様な編成で披露されました。バスクラリネットを交えた厚みのある合奏をはじめ、少人数での息の合った掛け合いなど、編成によって色彩を変えるクラリネットの音色が7号館に響き渡りました。プログラムには「アシタカとサン」や、歌劇《魔笛》より〈夜の女王のアリア〉といったオペラ曲も含まれており、普段とは一味違う華やかな雰囲気に、来場者の皆さまはお食事とともに演奏を楽しみながら優雅な時間を過ごされている様子でした。最後は大和田准教授も加わった5名による息の合った演奏で締めくくられ、わずか30分という時間の中でクラリネットの優しく奥深い音色の世界に包まれ、その魅力を存分に感じられるプログラムとなっていました。
ドイツリート同好会は、声楽専修のみならず、様々な専修・学年の学生が参加し、ドイツリートから日本の名曲まで、独唱や合唱といった多彩な曲目を披露しました。はじめにシューベルトの「踊り」が混声四部合唱とピアノで演奏され、2曲目からは約30名の学生による迫力ある合唱へと続きました。前半はシューマンの「流浪の民」をはじめとする、言葉と旋律が美しく響き合うドイツ語の合唱曲が演奏されました。聞き馴染みのないドイツ語の楽曲に対し、観客の皆様は興味深そうにじっくりと耳を傾けている様子が印象的でした。後半は雰囲気を変え、NHK全国学校音楽コンクール課題曲の「虹」や「時代」「上を向いて歩こう」といった世代を越えて愛される日本の名曲が披露されました。観客の皆様も口ずさめるような、会場全体が一体となって楽しめる温かい空間が作り出されていました。
「くにおん100フェス!」DAY2は、ご来場いただいた皆様の温かい拍手と笑顔に包まれ、大盛況のうちに幕を閉じました。100年前の貴重な音色から、最新テクノロジーを用いた音楽体験、そして大ホールに響き渡った圧巻の大合唱まで、キャンパスの至る所で生まれた「Campus Harmony」を通して、音楽が人と人をつなぐ力を改めて実感する一日となりました
今回、各企画の中心を担ったのは、本学の学生たちです。日頃の学びの成果を演奏や言葉を通して来場者に伝える姿には、次の100年を担う確かな力が感じられました。国立音楽大学はこれからも、音楽の喜びと可能性を社会に伝えられる学生を、教職員一丸となってサポートいたします。
ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
