くにたち*Garden
第5回:洋楽受容揺籃期から発展期
日本の近現代の音楽と音楽文化への理解を深める授業の第5回。ピアノの花岡千春先生による、洋楽受容、揺籃期から発展期の音楽文化、音楽作品についての講義が行われました。今回は、日本文化の発展や1900年以降の日本人作曲家、また演奏家について、ピアノ作品の演奏を交えて概観しました。
花岡先生は、1900年代の時代変化や文化、歴史に触れ、特に1911年、欧米並みの設備と規模の劇場として帝国劇場が開場したことが日本での西洋音楽の発展に大きく影響したことに言及しました。
また、花岡先生による橋本國彦のピアノ曲《三枚絵》より〈雨の道〉、清瀬保二《琉球舞踊》、伊福部昭《日本組曲》より〈佞武多(ねぶた)〉の演奏がありました。特に橋本の三枚絵については、日本画家の鏑木清方の『新富町』『浜町』『明石町』の印象から作曲された作品で、《雨の道》では日本風の旋法も取り入れた色彩豊かな旋律や浮遊感を体感しました。
花岡先生は、「音楽をする者として、時代の背景や文化の知識を知ることはとても重要なこと。音楽は音楽だけが発達を遂げたり、一人歩きしてきた訳ではなく、様々な日本の文化や芸術から影響を受けて発展してきたことを忘れないでいただきたい。また、現代のさまざまな媒体を利用し音楽を聴くことだけでなく、今回演奏した曲以外でも、本学の図書館に置いてある楽譜などはぜひ手にとって、見て、能動的な対峙=音にしてみてほしい。」とお話しされました。
第6回は、ピアノの渋谷淑子先生によるピアノ音楽作品の流れと音を読むことについて、演奏を交えながらお話しいただく予定です。