音楽徒然草ラインナップ
くにたちの先生方が、 “つれづれなるまゝに、心にうつりゆくよしなしごと”を書きつづっていきます。
ラインナップ
2010年度

冬が去り、春の到来が告げられるこの季節は、大学においても、時の流れを感じるときです。とくに年度末の教授会での退職される先生によるご挨拶は、クニタチに受け継がれている教育の伝統が何であるかを教えてくれます。

忙しいと、生き物はみな同じ空の下に棲んでいるということを忘れがちです。私たちは太陽のもと、ひとつの空で繋がっているわけですね。しかし「陸続き」という言葉はあるのに「空続き」とは言わないのは、それが当然過ぎて、有り難さを感じないからでしょうか?

9月からのスタートに向かって新校舎の建設が着々と進んでいます。やむを得ないことではありますが、それと引き換えにあの美しい庭の景観が失われました。庭木の多くが消滅したとはいえまだかなりの樹木が残っています。
その中の1本、東の端に立っているメタセコイアについてお話します。

夏の猛暑で心配された秋の紅葉でしたが、人間の心配をよそに今年もまた美しい色合いを見せてくれました。大学正門付近の桜の木々の見事な色づきを見るにつけ、昨年まで目を楽しませてくれた中庭に思いを馳せるのは私だけではないでしょう。

今年7月後半、大学院修了生などを中心とした希望者11名を連れてイタリアのオペラ・セミナーに行ってきました。中部イタリア大学都市ボローニャの伝統ある「ボローニャ歌劇場」に付属した「イタリア・オペラ研修所」という、その名の通りにイタリア・オペラの伝統を守り、継承しながら、現代に通じる正統的な職業オペラ歌手を育てるという、3年前に創設されたばかりの新しい研修所です。

本学の音楽教育学科には、音楽教育専攻と幼児教育専攻があります。これを他大学の「教育学部」と同じように思っている人も多いかもしれません。教員免許状を取得するという意味や資格のみで考えればそうした印象をもたれると思いますが、教育学部の「音楽」と音楽大学の「音楽」では、その内容や実態は大きく違います。

同調会との共催コンサートが行われる岐阜への車中で、ルーマニアのピアニスト、ディヌ・リパッティの伝記を読みました。天才を謳われ、透明度の高い演奏で世界を魅了したこのピアニストが一種の白血病により33歳で世を去ったのは、皆様ご承知の通りです。

夕方になると、ヒグラシの声が聞こえてくる季節となりました。梅雨明けしてからずっと続くこの猛暑は、いったいいつまで続くのかと思いやられる今日この頃です。
大学では受験生のための夏の受験準備講習会が行われました。

昨年、演奏生活30周年記念リサイタルを無事に終えました。おかげさまで皆さまのあたたかいご講評をいただき、成功だったかなと感じています。
思えば、大学教員生活も30年を迎えました。演奏生活30年、教員生活も30年。つまり、演奏活動と教員活動をずっと並行してやってきたことになります。

5月の下旬くらいから6月にかけて、各地で行われる進学ガイダンスに出かけ、高校生やその保護者の方々にお目にかかります。希望と不安の両方を胸に抱いた高校生の皆さんとの出会いでは、実際にいろいろなお話が聞けて、考えさせられることが多いのです。

人の行動は、感動体験に大きな影響を受けます。音楽を探求することは、この感動体験を誘うメカニズムを紐解くことなのかもしれません。

ホームページがリニューアルされました。よくある「新装開店」といったものではなく、すべてが一新されたといってよいでしょう。それに伴ってこのブログも新設されました。それにちなんで、テーマは「ニュー」「新」。