国立音楽大学

音楽徒然草

第7回 「広がる音楽と教育への夢」 藤沢 章彦 教授

藤沢 章彦 教授

 本学の音楽教育学科には、音楽教育専攻と幼児教育専攻があります。これを他大学の「教育学部」と同じように思っている人も多いかもしれません。教員免許状を取得するという意味や資格のみで考えればそうした印象をもたれると思いますが、教育学部の「音楽」と音楽大学の「音楽」では、その内容や実態は大きく違います。それは「音楽」を勉強する環境です。また、大学生活における音楽環境です。分かりやすく言えば、くにたちは「音楽」の中で教育について考える学科といえるでしょう。

 音楽教育学科は、特定の専攻実技や音楽領域をもちませんが、それは幅広い音楽領域を学習しつつ、自分に合った、あるいは新しくめぐり合う音楽との可能性を秘めています。そして、それを教育や指導法にどうつなげるかを同時に勉強することになります。その基盤となる音楽領域の幅広さと質の高さがくにたちの特色です。音楽が好きで、音楽とかかわった将来を考えながら、豊かな音楽環境を生かして、一人ひとりが自分なりの音楽への夢を追い、深めることができます。

藤沢先生授業風景

 ある学生は、ピアニストになるほどのつもりはないけれどピアノが好きで、もう少し頑張ってピアノを上手に弾きたいと、音楽教育学科に入学しました。そこで出会った音楽と身体表現をつなぐリトミックという分野に、驚きと関心をもち、身体を動かすことが好きという特性を生かして、さらに深く学びたいと考え、3年生からリトミック指導者コースで学んでいます。

 また卒業生の一人は、入学時から音楽の先生になりたいと思っていたため、学校教育コースを履修し、大学での採用試験の準備講座にも熱心に参加しました。在学中は高校時代からのサックスで吹奏楽も続けました。卒業と同時に公立中学校で教諭として、忙しい毎日を生き生き生徒たちと過ごし、吹奏楽部の指導もしています。

幼児教育七夕祭

 もう一人、幼児教育専攻だった学生は、4年間「音楽」を学びながら幼稚園教諭免許が取れることが魅力で入学しました。そこで幼児期の音楽と保育の重要性を認識して、ぜひ幼稚園に勤めたいと思い、たくさんの求人募集の中から一番自分に合った幼稚園を選んで就職し、そこで勉強の成果を生かして仕事をしています。

 本年度から、中・高校の音楽教諭免許または幼稚園教諭免許に加え、小学校教諭免許を卒業と同時に取得できる制度も発足しました。音楽の魅力とこれからの自分を生かす道や機会を、広く提供するのがくにたちの音楽教育学科です。

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