国立音楽大学

オーロラミュージックマスタークラス(スウェーデン・ストックホルム)

寺田 妃袈里 3年 演奏・創作学科 弦管打楽器専修(ホルン)

研修概要

研修機関:オーロラミュージックマスタークラス
研修期間:2017年8月12日~8月20日
担当講師:ラドヴァン・ブラトコヴィッチ先生

研修目的

国際的に活躍されているラドヴァン・ブラトコヴィッチ先生のレッスンを受け、学び、オーケストラや室内楽の練習、コンサートを重ね、音楽性や技術を学ぶ。

研修内容

1日目にはオリエンテーションがあり、練習室や、ステージ裏の使い方、大まかなスケジュールを説明されました。その後、あらかじめ組まれていたメンバーで木管6重奏の練習を行いました。
午後からはオーケストラの練習が始まり、約6時間ほど初日からオーケストラでの練習でした。
2日目は朝から練習室を取り練習し、木管6重奏の合わせをして、初めてのレッスンがありました。レッスンでは、楽器を吹く時、構える時の姿勢や、イメージの事などを教えて頂きました。その曲のイメージを強く持ち、それを譜面に書く事でビジュアル的に分かりやすく、すぐに自分が反応できる事だと教えて頂きました。他の人のレッスンも聴講し、とても勉強になりました。
その後ブラスアンサンブルの練習があり、降り番の時は聴講していたのですが、音楽性や積極性が日本人と違って、とても面白かったです。
3日目にはラドヴァンの基礎練習のレッスンをみんなで受けました。マウスピースでの基礎練習から始まり、中低音域の口の慣らし方などラドヴァンのやり方で教えて頂きました。午後は木管6重奏の合わせをして、木管6重奏のレッスンをラドヴァンに見て頂きました。その日はその後、ブラスアンサンブルの練習、オーケストラの練習が夜まであり、長丁場でしたが、それぞれとても刺激になります。
4日目ではホルンのアンナミア・ラーソン先生がその日だけいらっしゃっており、一人数十分ずつレッスンを受けました。息の流れについて特に注目して教えて頂きました。
また、夕方には、ラドヴァンの奥さんのディンカさんのセミナーを聞きました。本番などで緊張した時の体の状態、緊張する時のための対策などをお話しされていました。
5日目は早朝から木管6重奏のレッスンがあり、その後合わせをしましたが、その時にみんなで外側を向いての練習をしました。そんな練習をしたことがなかったのでとても面白かったです。
また、この日はブラスアンサンブルの発表の日で、ステージで演奏しました。小さい場所での本番でしたが、よく響き、色々な方が聴きに来て下さっており、嬉しかったです。
6日目は、朝レッスンを受けた後、オーケストラの練習がありました。
夜には木管6重奏の発表会がありました。演奏中にいくつか事故があったものの、すごく楽しかったです。
7日目、8日目はオーケストラの練習があり、最終日にはオーケストラの発表会でした。

研修を終えて

ストックホルム音楽大学の前で
ストックホルム音楽大学の前で

今回のマスタークラスでは、ラドヴァン先生のレッスンを3回受けることが出来ました。その中で、特に頭の中のイメージについての事が主でした。1番いい音が出る楽な姿勢や、お腹、ひじの角度、胸の開きなども丁寧教えて頂きました。イメージは大まかなイメージしか今まで持っていなかったのですが、小さい部屋でも、外で吹いている時、自分が1番良かった演奏の時などをイメージするといい、など具体的に教えて頂きとても分かりやすかったです。曲にあった基礎練習の仕方も教えて頂き、すごく為になりました。
また、こんなにたくさんアンサンブルを行い、全てで発表の場のあるマスタークラスはほかになかなかないのではないかと思います。木管6重奏、金管アンサンブル、オーケストラなど、みんな積極的に自分のやりたいことを表現しており、その中で吹くのがすごく楽しかったです。

中島大之先生のコメント

ラドヴァン・ヴラトコヴィチ先生は、ホルン奏者として、また教育者として、今世界の音楽界をリードする第一人者であるとともに、人間的にも大変信頼のおける私の良き友人でもあります。そのヴラトコヴィチ氏のスウェーデンにおける講習会は大変有意義で密度の濃い素晴らしい内容だったようですね。この5月に本学でもマスタークラスと特別レッスンに招聘し、2度受講したレッスンを、その3ヶ月後に継続的に受けることができたことも、大変に意義のあることでした。
ソロのレッスンのみならず、オーケストラ、室内楽と音楽漬けの毎日を、しかも日本語の通じない環境の中で9日間を過ごしたという体験は、音楽的に、肉体的に、そして精神的にも、一回りも二周りもあなたを大きく成長させたことと思います。実際のところ、すぐにそれが結果となって現れるかどうかはわかりませんが、あなたの音楽人生において、恐らく後々振り返ってみれば、それが本当にかけがえのない素晴らしい経験であったということに気がつく日が必ず来ると信じています。今回の経験で見つかったであろう課題を一つ一つ克服し、良い音楽家になるべく、日々頑張ってください。

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