国立音楽大学

ニース夏期国際音楽アカデミー 研修報告書

申 梨奈 3年 演奏学科 鍵盤楽器専修(ピアノ)

研修概要

  1. 研修機関 ニース夏期国際音楽アカデミー
  2. 受講期間 2010年7月27日~8月8日
  3. 担当教授 アンヌ・リズ・ガスタルディ教授、イヴ・アンリ教授

研修内容

1週目

ニースの国際音楽アカデミーではオーディションなどはなく、自分の希望した教授のクラスを必ず受講する事が出来るようになっています。

私は1週目はアンヌ・リズ・ガスタルディ教授のクラスを受講しました。外国人の女性の先生のレッスンを受けるのは初めてだったので少し緊張していましたが、とても良い経験になりました。私は9月に友人とジョイントリサイタルを行うので、主にそのプログラムの曲を持っていきました。

7月26日 Chopin/ Ballade No.1

このアカデミーでは講習が始まる前日の月曜日までに現地に到着し、登録など手続きを行う事になっているので、私は7月26日月曜日の朝にニースに到着しました。

学校に行くとクラスごとにレッスン打ち合わせが行われる日時、場所が書かれたプリントが掲示してあるのですが、なんとガスタルディ教授のレッスン打ち合わせは26日14:00~と書いてありました。到着日に打ち合わせがあるのは彼女のクラスだけで驚きましたが14時に指定された部屋に行くと、別の先生がレッスンをしていました。他の生徒が来る気配もなく焦って受付に確かめに行くと手違いだったらしく、「あなたは今日の16時からレッスンよ。」と言われました。まさか到着日にまでレッスンがあるとは思わず準備も出来ていなかったので、焦って練習室で練習をしました。練習室のピアノはボロボロのアップライトで、調律もかなりひどい狂い方をしていて弾いていて酔いそうでした。(何日かしたら慣れてしまったのですが。)そして16時にレッスン室に行くとしばらくして先生がいらして、最初のレッスンが始まりました。英語で話して頂けますか?と言うと快く了承して下さいましたが、実は先生は英語が苦手だったようで、2回目のレッスンからはほとんどフランス語で喋る事となりました…

1回目のレッスンはショパンのバラード1番を見て頂きました。まずは最後まで通しで聴いて下さり、その後にまた最初に戻ってレッスンを行いました。最初に左手について指摘されました。あなたは右手に比べて左手が良く聴けていなくて、右手ほど歌えていないので、まずは左手のレッスンから始めましょうとおっしゃり、左手だけで曲の最後までレッスンして頂きました。1小節、2小節単位でアドバイスを下さり、とても細かく教えて頂けて良い勉強になりました。私は肩に力が入ったり、手首が固くなったりする事も多く、それについても脱力の方法などを丁寧に教えて下さいました。左手で曲の最後まで弾き終わってやっと、両手で弾かせて頂けました。最初に教えて頂いた左手の注意点を意識しながら、右手を乗せていく事で、とても難しかったですが自分でも良い変化を感じ取る事が出来ました。結局この日は2ページ目までで時間が来てしまい、翌日に続きから見て頂ける事になりました。「じゃあ明日は、9時で良いかしら?」と聞かれてレッスン打ち合わせ等はなく、毎日レッスンがあるのだという事を知りました。

7月27日 Chopin/ Ballade No.1

2回目のレッスンは昨日の続きからです。全体を通して先生がおっしゃっていたのは、テクニックが出来ていても中に音楽がなければそれは空っぽなんだよ。と言う事でした。Grand Pianist とBien Pianistの違いは全ての音を良く聴いているかということで、絵画と同じように、メインの旋律やテーマも大事だけれど、背景もとても大事だから、伴奏型の左手もよくうたうこと、とも言われました。それから私は長いフレーズを感じるのが得意ではないらしく、フレーズが細切れになってしまう事が多いので長く息を吐くようなイメージで長いフレーズを演奏する事も教えて頂きました。また、右手と左手でフレーズが違う所の弾き方、テンポを正確に弾く事、手の小さい私が苦手なオクターブが連続する部分の練習方法などを教えて頂きました。この日のレッスンからは90パーセントがフランス語で、辞書を使いながら一生懸命理解しました。ピアノもフランス語も、レッスンして頂いているようでした。先生のアドバイスはフランス語でありながらとてもわかりやすく、私の好きな表現方法でもあったので、レッスンは毎日とても楽しく勉強にもなりました。

7月28日 Mozart/ Piano Sonate KV.333 1st movement

3回目のレッスンではモーツァルトのピアノソナタの第一楽章を見て頂きました。

9月にコンサートがあると言ったら、その日のレッスンから全ての曲を、最初に暗譜で通して聴いて頂ける事になりました。モーツァルトに関してもまずは左手が問題になりました。弦楽四重奏で言うと左手の旋律はチェロの役割で、チェリストがサボっていたらダメよ。と言われ、左手の表現を繰り返し教えて下さいました。楽譜に書いてある本当に細かいアーティキュレーションを、しっかり読みとって正確に表現するだけでこんなに変わるのかと言うほど、アドバイスされた事を試してみると自分でもわかるほど変化が見られました。またショパンと同じ様に、フレーズについても指摘されました。細切れではなく長いフレーズを感じる事で、音楽に流れが出て来ます。

そしてモーツァルトの演奏でとても重要になってくる、キャラクターの変化です。明るい和音から暗い和音になる所などはもちろん、同じ16分音符のパッセージでもスラーがかかっている所といない所で音色を変える事や、fとpの差をもっと劇的に驚かせるようにする事、展開部では私が思っていた以上の変化やドラマチックさが求められました。また再現部では少し悲しみを混ぜて、提示部とは全く違う色を表現するようにともおっしゃっていました。モーツァルトは元々弾くのもとても好きなのですが、レッスンもとても楽しく、多くの事を吸収できました。

7月29日 Mozart/ Piano Sonate KV.333 2nd .3rd movement

4回目のレッスンはモーツァルトの第2、3楽章です。私はこのソナタの中で第2楽章が最も苦手で、それを先生に伝えると尚更丁寧に見て下さり、最後のレッスンの時にももう一度第2楽章を聴いて下さいました。この曲はゆっくりで、全体的にあまり大きい音量は出ず、それほど表現も深くない曲。と思ってしまっていたので、その様に通すとまず、タッチが軽くならないようにと言われました。今までなんとなく、緩徐楽章というだけで深いタッチでたっぷり弾く事を恐れてしまい、軽いタッチでさらさら弾いてしまいがちだったのですが、軽くせず、しっかりと歌う事を教えて頂きました。

音楽が小さくならないように、という事を全体を通して言われました。また構成についても説明して下さり、どこからこのテーマが生まれて次のテーマが出てきて…という説明に基づき、ここはこういう表現で、と教えて下さったのでとてもわかりやすく、とても難しかった第2楽章ですがヒントが見えてきた気がしました。

この曲ではショパンよりもモーツァルトの楽章よりも、フレーズの事について指摘されました。ゆっくりな曲なのでフレーズを長く取らないとうたうのも表現も難しくなってしまうので大きなフレーズで取ること。その為に、完成のテンポとしては少し早すぎるが、4分音符=50位のテンポでまず練習してみる事を勧められました。

私はゆっくりな曲を弾く際に更にテンポが停滞してしまう傾向があるようなので、この練習方法は効果的だったのではないかと思います。第3楽章はオペラのイメージで色々な登場人物が出て来るようにとのアドバイスを頂きました。強弱の変わり目や曲調の変わり目で全く違うキャラクターが出て来る様に表現する事で、変化に富んだ演奏が出来るようになり、面白さが出てきたと思います。また、音楽が絶対に小さくならないようにとも言われました。

7月30日 Mozart/ Piano Sonate KV.333 3rd movement, Chopin/ Ballade No.4

5回目のレッスンはモーツァルトの最終楽章の続きと、ショパンのバラード4番を持って行きました。モーツァルトは昨日よりもとても良くなったとお褒めの言葉を頂き嬉しかったです。今日は昨日の指摘に加えて、コントラストについて更に細かいアドバイスを頂きました。例えば同じ3和音でも、長3和音か短3和音かで響かせ方を変える事や、長調のテーマが短調で再現される所ではペダルを使って違う色を出す事など、なるほどなぁと思うアドバイスが沢山ありました。モーツァルトは全体を通して、左手をよく聴いて歌うこと、アーティキュレーションを正確にすること、フレーズを長くとること、キャラクターを変化させることなど、得る物がとても多いレッスンでした。次にバラード4番を聴いて頂きました。バラードの冒頭部分は4曲ともとても難しいですが、特にこの曲は最初の1音を出すのにも細心の注意が必要で逆に緊張して固くなってしまいなかなか上手く弾けなかったのですが、呼吸の仕方や細かなニュアンスなどを教えて頂き最初の7小節の前奏がとても弾き易くなりました。また私は今まで右手と左手で全く違った強弱を付けるという事をほとんどやった事がなく、この曲に度々出て来るそういった強弱の指示にもあまり正確には従っていなかったのですが、楽譜に書いてある通りに弾きなさいと言われてしまいとても苦戦してしまいました。本当に難しくてなかなか出来ませんでしたが、先生が根気強く付き合って下さり何度もお手本を見せて下さってなんとか出来る様になり始めると、ショパンの指示通りに弾いた方が断然音楽が良い事に気づく事が出来ました。またタッチについても、ショパンのタッチは例えアクセントが付いていてもattackではなくてpression(圧力)だよと教えて下さいました。そして先生がこの曲で一番問題だと仰っていたのが、曲全体を通して私の演奏はパッセージの繋がりに聴こえてしまい、曲がまとまって聴こえないという事でした。自分でも自覚はあったのですがどうして良いかわからずそのままになってしまっていたので、レッスンで指摘して頂いた事が直すキッカケになりとても良かったです。土日は先生がコンサートで遠方へ行ってしまうという事で、最後のレッスンは2日空いて8月2日に行われることになりました。

8月2日 Chopin/ Ballade No.4

最後のレッスンはバラード4番の続きから始まりました。楽譜に書いてあるイタリア語の指示はもちろん、細かな休符やテンポ表示も正確に弾くようにと言われ、自分がいかにしっかりと楽譜を読めていなかったかを痛感し、楽譜通りに弾くだけでも本当に難しいということを知りました。また、この曲で度々出て来る多くの声部が組み合わさって出来ている部分の練習方法などを丁寧に教えて頂き、帰国後もその練習を繰り返していたら、苦手だったそういった箇所がとても弾き易くなりました。まだ1週目でしたが6回もレッスンがあったのでとても内容が濃く、得る物が多い1週間でした。帰国後のコンサートについても日にちまで覚えていて下さり、とても温かい応援の言葉を頂いて大きな自信になりました。またこのレッスン中にスタッフの方が来て、その日の夜のコンサートでミシェル・ベロフ教授の譜めくりをやらないかと声を掛けて頂き、とても緊張はしましたが譜めくりの打ち合わせをしたり、合わせ(ピアノトリオ等の演奏会でした)を間近で見、目の前で素晴らしい演奏家の演奏を聴く事が出来、本当に良い経験になりました。

2週目

8月3日から講習の2週目が始まりました。この週はイヴ・アンリ先生のクラスを受講しました。早速8月3日にレッスンの打ち合わせがありました。クラスは全部で8~9人程の生徒さんがいましたが、なんと、全員が日本人でした。アンリ先生が如何に日本でポピュラーかという事がわかりました。まず初めに先生が、「レッスンは毎日行います。」とおっしゃったので驚きました。2週連続で毎日レッスンがある事になるからです。と同時に、ほとんどのクラスは、週に3~4回のレッスンしかないと聞いたので、私はとてもラッキーだなと思いました。最初のレッスンはこの日の午後から始まりました。

8月3日 Chopin/ Ballade No.1

最初のレッスンでは1週目と同じくバラードの1番を持って行きました。まず最後まで通して聴いて頂くととても褒めて下さり、この曲で週末のStudent Concertに出て良いよと言って頂きました。1週目には出演出来なかったので、とても嬉しかったです。それからいくつかのアドバイスを頂きました。先生はショパンをとても深く研究されている方なので、私は楽譜を音やリズム等だけでなく、細かいアーティキュレーションやペダリングの中に隠されたショパンの意図や、どの部分とどの部分の対比が重要なのか等、楽譜をより深く仔細に読み取る事を教えて頂き、それはショパンの他の曲や、もちろん他の作曲家の曲でも応用出来る事なので、本当に勉強になりました。特にショパンが書いたスタッカートについて、私は見落としてしまっている事が多かったのですが、例えばバスの音のみに付けられたスタッカートの部分を意識して弾く事で、表現が随分変わる事もわかりました。

8月4日 Mozart/ Piano Sonate KV.333 1st movement

レッスン2日目はモーツァルトのソナタを見て頂きました。今日は第1楽章です。キャラクターの変え方について具体的なアドバイスを頂き、今まで抽象的で、どうして良いかわからなかった部分が少し見えてきてとても良かったです。例えば、度々16分音符のパッセージが出て来ますが、それらは大きく分けて二つの性格を持っています。メロディックなパッセージとリズミックなパッセージです。ほとんどの場合、メロディックなパッセージは装飾が多くスラーがかかっており、リズミックなパッセージは規則的な動きでスラーがかかっていません。その二つを上手く見分けて弾きわけます。全てのパッセージをespressivoで弾くのではなく、機械的な動きのみで弾く部分も取り入れる事で、緩急をつけ、キャラクターの差も出す事が出来ます。実際に先生がお手本で弾いて下さると、その違いがとても良くわかりました。2種類のパッセージは、ほぼ小節単位で頻繁に出て来るので、それを弾きわけるだけでもかなり変化に富んだ演奏をする事が出来ます。また、タッチを重くする所と軽くする所、やわらかく弾く所と元気に弾く所など具体例を提示して下さり、とても得る物の多いレッスンとなりました。

8月5日 Mozart/ Piano Sonate KV.333 2nd,,3rd movement

今日は第2、第3楽章です。第2楽章はまだよくわかっていない所が多々あって、あまり確信を持って弾けていなかったので、曲の構成についてかなり細かく説明して下さいました。構成と呼応して、強弱についても細かく指示を与えて下さり、やっと曲の全体像が見えて来た気がしました。また、先生がお手本で何度も弾いて下さいましたがその演奏がとても美しかったので、レッスンの録音を繰り返し聴いて練習する事で、表現方法等もわかってきました。第3楽章は、上向きの動きと下向きの動き(弦楽器のボーイングのようなイメージ)が小節ごとに交互に出て来るという事を教えて頂きました。最初の小節が始まる前に1小節下向きの小節があると思って、1小節目は上向きから始まります。言葉ではとても説明しにくいのですが先生がお手本を弾いて下さると、確かに上向きと下向きに聴こえました。ただしアクセントを付けて表現するわけではなく、私にはとても難しくてその場では出来ませんでした。また基本的な事ですが、タッチが機械的にならないことや、速いパッセージの所ももっとソフトに弾く事なども指摘して頂きました。第3楽章は明日も持ってくるようにと言われました。

8月6日 Mozart/ Piano Sonate KV.333 3rd movement, Chopin/ 3 Écossaises

今日は第3楽章の続きと、3つのエコセーズを見て頂きました。第3楽章は前日に教えて頂いた拍感について、レッスンの後に練習して少しわかるようになっていたのでそれを聴いて頂き、テクニック的に弾きにくかったパッセージの練習方法を教えて頂いて終わりました。そして先週は時間がなくて持っていけなかった3つのエコセーズをレッスンして頂きました。この曲は始めてから日も浅く、あまり準備が出来ていなかったのでなかなか言われた事が出来ず申し訳なかったのですが、先生のお手本を聴いているだけでもとても勉強になりました。ショパンの他の曲に比べて少々マニアックな曲なので録音も少なく、どう弾いて良いかわからない部分がほとんどだったのですが、テンポを揺らすタイミング、音色を変える部分など丁寧に教えて下さり、帰国後に録音を聴きながら練習してみるとかなり理解が深まっていました。この様なリズミックな曲だと私は突っ走ってしまう傾向があるのですが、先生は落ち着く部分と突っ走って良い部分なども細かく教えて下さって、とても弾き易くなりました。

8月7日 Chopin/ Ballade No.4 Student Concert Chopin/ Ballade No.1

今日は先生に推薦して頂き出演する事になったStudent Concertの日です。コンサートではバラード一番を弾く事になっていましたが、レッスンには少し大変でしたがバラード4番を持っていきました。午後にリハーサルがあり、その少し後にレッスンを受け、終わった直後にコンサートが開演するというハードな一日でした。

ありがたい事に私の出番は一番最後だったので、レッスンの後しばらく練習時間があり余裕はあったのですが、演奏会の最後という事と、アンリ先生のクラスからの出演者が私だけだったので、プレッシャーでとても緊張してしまいました。

レッスンでは、私の癖である速いパッセージの部分が必要以上に速くなってしまう事を直して頂きました。今まで自分では意識がなかったのですが、客観的に聴いているとそのせいで曲全体のテンポに一貫性がなくなってしまっていたので、加速をしないだけでもとても曲にまとまりが出てきました。また、ゆったりと余裕をもったテンポで弾く事で、細かい部分まできっちり歌えて音楽的にも良い影響が現れたと思います。そして演奏会の本番は、これもまた私の悪い癖なのですが、後で録音を聴くとものすごい速さで弾いていました。いつも自分では全く意識がないまま、(むしろゆっくり弾いているつもりなのですが。)ものすごい速さで難しい所を弾いてしまうので、その癖を直す事が出来なかったのはとても残念でした。またいつもとは違う外国という環境で演奏させて頂ける事は、とても刺激になり良い経験にもなりましたが、日本で演奏する時の何倍もの緊張感があり、音楽を楽しむというよりも必死で演奏しているという感じになってしまったのも残念でした。この経験をこの先の本番に生かして、より納得のいく演奏を本番で実現できたらなぁと思います。

8月8日 Ravel/ Piano Concerto G-dur 1st movement

今日は最後のレッスンでした。今までのレッスンが予想よりもスムーズに進んでしまった為リサイタルのプログラムだけでは足りなくなってしまい、急遽念の為持ってきたラヴェルのピアノ協奏曲を持って行くことになりました。全く準備が出来ていない曲で、1か月程前に譜読みをしただけの状態で楽譜だけ持って来ていた程度だったので、本当に初歩的な事も出来ていず先生には申し訳なかったです。ペダリングについての細かい指示を与えて下さり、リズム感の事なども多少指摘して頂きましたが、音間違いやリズム間違い等も多く発見されてしまい、少々恥ずかしい思いもしました。私はまだ第1楽章しか見ていなかったのですが、先生が第2楽章も良い曲だよと仰って全部ソロパートもオケパートも弾いて下さりました。この曲はまだまだこれからという感じでしたが、一応見て頂けて良かったです。

これで講習全てのレッスンが終了しました。2週間の講習で12回ものレッスンがあり、体力的にもかなり大変でしたが本当に良い勉強になりました。

受講期間中の生活

私は今回の講習では毎日のようにレッスンがあったので、自分の練習に必死になってしまい一日の大半を自分の練習に費やしてしまい、他のクラスの聴講に行く事があまり出来なかったのですが、それでも数名の先生(マリー・ジョセフ・ジュード教授、ミシェル・ベロフ教授、パスカル・ロジェ教授、フィリップ・ベルナルド教授)のクラスには足を運び、長い時間ではありませんがレッスンを聴講する事が出来ました。中でもフィリップ・ベルナルド教授はフルートの教授で、あまり他の楽器のレッスンを聴講する機会はないので良い機会だと思い行ってみたのですが、とても勉強になりました。ちょうど私の大好きなモーツァルトのフルート協奏曲のレッスンをしていて、私もモーツァルトを弾いているので楽器は違っても通じる所もあり、参考にもなりまし た。また、生徒さんもとても綺麗な音色で聴いていて心地良かったです。

また、1週目は2回程しかなかったのですが、2週目は毎晩のようにコンサートがあり、毎日友達と共に足を運びました。とても印象的だったのは、全体的に弦がとても上手い事です。全部で6回コンサートに行きましたが、特に感動したのは全て弦楽器を交えたコンサートでした。中でも私はヴァイオリニストのOlivier Charlierさんの大ファンになってしまい、日本でもCDを購入しようと思っているほどです。本当に美しい音色でどんなに激しいパッセージでも、現代的なぶつかった響きの所でもとても美しくて本当に本当に素敵でした。ベロフ教授の譜めくりをした時に彼も共演していたので、舞台裏で練習しているのを聴けたり、少し話せたりもして感激でした。もう一つ感動したのは弦楽カルテットでした。Quatuor Modiglianiという弦楽四重奏団なのですが、最初に演奏し始めた瞬間からあまりの美しさに音楽に引きこまれました。実は今まであまり弦楽カルテットに興味がなかったのですが、彼らの演奏を聴いてとても好きになりました。彼らのCDは会場で売っていたので思わず購入してしまいました。メンデルスゾーンの弦楽四重奏が収録されていましたが、それも本当に素晴らしいです。

講習会を終えて

このように毎日が学びの連続で、吸収する事も多くとても素晴らしい経験となりました。最後になってしまいましたが、このような機会を与えて下さった先生方、学生支援課の皆様、そして家族に心より感謝しております。本当にありがとうございました。

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