国立音楽大学における生成系AIへの教学上の対応について
背景
昨今、社会生活の中に生成系AIが浸透し始め、今後はその更なる活用が見込まれている。本学においても、学生による生成系AIの活用は基本的に妨げない。
ただし生成系AIは誤った情報を伝えることがあり、情報の根拠や資料を示さないなど、様々な問題が指摘されている。著作権に抵触したり個人情報、企業秘密等が漏洩したりする可能性も考えられる。その点を十分に認識し、学生は各自の責任において学修に用いることが重要である。
特に音楽には、生成系AIでは計り知れない感性や複雑な感情など、人間特有の営みが反映されている。音楽に対する答え(あるいは解釈)は多様に存在し、その答えを導く過程には音楽と向き合う人間の姿勢が明確に現れる。そうした音楽の特性を踏まえ、生成系AIを批判的かつ創造的に活用することが求められる。
学生におけるレポートや論文等、音楽創作活動等での活用
レポートや論文等の作成、音楽創作活動等においては、学生本人が著作権を有する提出物を作成することが原則である。従って、提出物を生成系AIのみで作成することは認めない。
提出物の作成に伴う生成系AIの使用の可否、利用方法については、担当教員の指示に従うこと。また、提出物の作成過程で生成系AIを活用した場合、使用したシステムの種類及びそれをどの段階でどのように用いたかを明記すること。
不正行為に対する処分
レポートや論文等の作成、音楽創作活動等における生成系AIの活用において不正行為が認められた場合、厳格に対処する。
本学の今後の対応
本学の今後の対応については、生成系AIの発展動向や国内外の状況等を踏まえつつ、適宜見直しと検討を続ける。