国立音楽大学

新1号館・堂々完成!

新1号館・キャンパス中央に新たなメインステージが誕生!

新1号館航空写真

―学生が自らにチャレンジするための最適な「舞台装置」―

2010年2月より工事が始まり、2011年7月完成、同年9月より、いよいよ使用が開始された新1号館。レッスン室、アンサンブル室、演奏スタジオを備え、レッスン室は全室南側に配置されています。これらの施設は、音響の専門家とともにモデルルームを作り、実験を重ねたデータを基に、これまでにないハイグレードな音響空間を創出しました。
新1号館は、本学が最も重点を置いている「アンサンブル教育」を具現化する場として生み出されました。
個人の能力を高めることはもちろん重要ですが、授業では小さなアンサンブルから始め、段階的に大きなアンサンブルへと組み上げていきます。アンサンブルは、音や言葉のコミュニケーションの積み重ねにより創り上げられます。ここで培われた能力は、様々な分野において必ずや通用するものだと考えます。それらを学習・経験できる場が、この「新1号館」なのです。
ピアノを模した階段状の特徴的なデザインで、今後の学修の場として、キャンパス中央の新たなメインステージとなっていくことでしょう。

ハイグレードな音響環境

エントランス

本学が最も重点を置いている「アンサンブル教育」を実践する場として、一人ひとりの能力を高めるための『レッスン室』、小規模グループによるアンサンブルのための『アンサンブル室』、それらの集大成のための『スタジオ』と、段階的なプロセスが実現できる環境となっています。
レッスン室や各スタジオは、音響の専門家と共にモデルルームによる実験を重ね、これまでにない音響空間を実現しました。また、レッスン室は全室南向きに配置した他、レッスン室とアンサンブル室、スタジオのゾーンを分離し、それぞれが集中できる音響環境が整えられています。

オーケストラスタジオ

オーケストラスタジオ

オーケストラスタジオは、音の拡散性に配慮した構造により、自然な音を響かせます。アコースティックな音質が響く空間での練習は、音感を鍛えながら演奏会本番のステージへの適応力を高めます。

オペラスタジオ

オペラスタジオ

劇場をイメージし、舞台と客席を額縁で分けたデザインにより、ステージに立った気持ちで練習に専念できます。可動式反射板を利用することで、本番のオペラ劇場の音響を再現できます。

合唱スタジオ

合唱スタジオ

各パートの音が聴き取りやすく、かつ倍音の響きを体感できる、合唱に適した空間です。倍音の響きを感じ取るトレーニングは、学生の合唱能力を引き出し、更なるレベルアップへと導きます。

アンサンブル室

アンサンブル室

担当教員の意見を反映しながら検討を重ね、アンサンブルに適した室内形状と内装材を採用し、最適な音響環境を作り上げました。着脱式の可変吸音板やカーテンにより響きが調整でき、音色や音量の異なるどんな楽器でも、それぞれが持つノーマルな音がバランスよく調和します。

レッスン室

レッスン室

高い遮音性と最適な響きを確保しています。残響時間が自在に変えられる着脱式の可変吸音板を標準装備しているため、どんな楽器のレッスンにも対応します。全室南向きに配置され、窓からは豊かな木々の緑を臨め、白を基調としたインテリアが降り注ぐ自然光と合わさり、やわらかな雰囲気をもたらします。

自然エネルギーの有効利用による環境共生型キャンパス

屋上庭園からの景色

"自然環境との共生"をテーマに、既存の樹木をできる限り残すとともに、建物の各階に屋上庭園を設置。北側に向かって低くなる階段状のデザインは、キャンパス中央のメインストリートやケヤキ並木に十分な日照が得られるよう設計されたものです。さらに太陽光発電や雨水・井水の活用など、かけがえのない自然環境を守り、地球温暖化対策に貢献するよう努めています。

屋上庭園

屋上庭園

最上階の屋上庭園は、360度見渡せる解放的なスペース。天候によってはスカイツリーが見えることも。黒鍵をイメージしたベンチで一息ついて、リフレッシュできます。

誰もが利用しやすく、安全で維持管理しやすい施設

レッスン室ドア

学生の移動はもとより、楽器・機材の搬入にも配慮して、演奏スタジオは全て1階に配置します。また、レッスン室のドアには小窓を設けて、万が一の防犯にも配慮しています。

免震構造による安心・安全な校舎

免震構造

甚大な被害をもたらした2011年3月11日の東日本大震災。キャンパスでも震度5超を観測。建設工事の最終段階だった新1号館では、地震発生と同時に免震構造が機能し、建物に伝わる揺れをゆっくりと吸収したため、屋上で作業中の方が地震に気づかなかったというエピソードがあります。図らずも新1号館の安全性が実証されました。

知性と伝統と遊び心を織り交ぜた"ミュージアム"

2階・サインパネル

階ごとに統一されたテーマカラー、本学附属図書館所蔵の貴重楽譜からコラージュしたサインパネル、随所にあるピクトグラム、流線型のソファー、建物中央に立つシンボルツリーなど、建物全体が一つのミュージアムのようにデザインされています。

各階のテーマカラー

3階・サインパネル

各階にテーマカラーが設定されており、壁面のサインアートをはじめ、レッスン室・アンサンブル室の可変吸音板やソファーなど、テーマカラーに沿った落ち着いた配色がなされています。
<テーマカラー>
地下1階:青、1階:赤、2階:緑、3階:オリーブグリーン、4階:黄色

シンボルツリーのヤマボウシ

ヤマボウシ

新1号館2階屋上中央に植えられたシンボルツリーの"ヤマボウシ"。春の花、秋の実と四季を通じて私たちの目を楽しませてくれることでしょう。

本学附属図書館所蔵の貴重楽譜からコラージュしたサインアート

1階・サインパネル(第九)

本学附属図書館ではモーツァルト、ベートーヴェン、バッハなどの楽譜の初版本や手書譜といった貴重楽譜を所蔵しています。それらの譜面や表紙からコラージュしたサインアートで壁面を飾りました。

やわらかい光が差し込むロビーラウンジ

ロビーラウンジ

1階入口のロビーラウンジは3階まで吹き抜けになっている上、階段やエレベーターの一部がシースルーになっているため、とても開放的な空間です。天井中央の照明はヤマボウシの木からの木漏れ日に見えるようデザインされ、また階段手摺下のライトは時間で点灯箇所が変わるため、光が流れているかのよう。さらに、各階の窓ガラスから自然光もやさしく館内を照らしてくれます。

音楽と美術のコラボレーション

志賀先生作・タンホイザーと水の精

地下1階アンサンブル室前のラウンジには、本学・志賀信雄教授(コントラバス)作・寄贈による絵画「タンホイザー(ワグナー)」(写真右)、「水の精(ラヴェル)」(写真左)が壁面を飾っています。
志賀先生はベルリン芸術大学卒業後、ベルリンドイツオペラ管弦楽団を経てNHK交響楽団に在籍。N響在籍中に多摩美術大学大学院を修了され、現在は『音楽の宇宙』を制作コンセプトに、美術の世界でも精力的な活動を行っておられます。

建築概要

竣工:2011年5月
工事期間:2010年2月~2011年5月

規模:地上4階、地下1階
構造:免震構造/RC造、一部S造、SRC造
延床面積:17,786.64m2

スタジオ:3室(オーケストラ、オペラ、合唱)
アンサンブル室:12室(打楽器・電子オルガン演習室含)
レッスン室:108室 ほか


設計監理:株式会社松田平田設計
施工:清水建設株式会社

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