国立音楽大学

カリフォルニア芸術大学(アメリカ合衆国)

大学院修士課程音楽研究科 作曲専攻(作品創作)2年 後閑 綾香

研究概要

後閑 綾香 写真 1
Spring Dance Concert の様子

私は8ヶ月間、アメリカのカリフォルニア芸術大学に勉学の向上の為に交換留学制度を利用しました。私が参加したプログラムは音楽プログラムの作曲プログラムで基本的には現地の修士作曲カリキュラム生と同じように授業を選択します。週5日、9:00~18:00の通常授業に加え、放課後に行われる沢山のコンサートに出演しました。授業は基本的に2時間で1コマで副科レッスンだけは1コマ1時間となっています。このカリフォルニア芸術大学は音楽の他にダンス、キャラクターアニメーション、先端芸術、映像など様々な芸術系の専攻があり、常にお互いが密接しながら、ひとつの芸術作品を作り上げるという特徴があります。そのため、音楽系の学生と他の専攻の学生が集まって行う授業などもあり、学校の規模が小さいならではの特徴的なクラスが魅力の一つだと感じました。

また、私が特に学びたかった『コンテンポラリーダンスと音楽の関係性』について深く考察する時間が多く、とても充実した日々を過ごす事が出来ました。これは私が修士を受ける際に考えていた研究課題であり、修士論文もこれらに関係する記述をしています。そのため現場で、実際にダンサーとコミュニケーションを取りながら、自身の研究課題について取り組めたのは何より私が交換留学先で求めていた事でした。そして、求めていた事が達成できその中で自身の中で新たに新しい発見や課題を見つける事ができました。特に印象的だった授業は様々なダンサーと短い作品を作りその制作過程でお互いが何を求めているのか、何を作り出そうとしているのかという事を話し合いながら毎週、授業の中で発表し先生や他の学生からアドバイスをもらうというもので、私自身にとって最も有意義な授業でした。この授業は前期のみでしたが、そのクラスの担当の先生が、後期に発表するとても大きなダンスショーの中で私に音楽を担当してほしいという嬉しい誘いがあり、後期も毎週、授業外でコンテンポラリーダンスと実際に関わる事ができ、先生の振り付けと私の音楽(演奏)で一つの作品を作る事が出来たのは忘れられない経験となりました。今回の交換留学により留学先の先生と深く繋がりができ、特にダンスカンパニーの先生からは是非今後とも一緒に作品を作っていこうとお誘いを頂き、私自身の進路がとても広がったように思います。その先生が今年度からニューヨークにある有名なダンスカンパニーに所属する事になっていて、そのような環境にいる方と教育機関を離れた場でまた一緒に仕事ができるという、これこそ私が長期において夢見ていた事であり、アメリカに関わらずそのような仕事ができればと考えています。それに加え、カルアーツの音楽学長が、こちらの学校で交換留学ではなく、長期的に留学してみては、と提案して下さいました。もし本格的に留学となれば、今以上の語学力が必要となる。その事も視野にいれ、現在TOFLE試験対策の勉強もしており、海外を視野に入れた進路を考えています。

留学を終えての所感

後閑 綾香 写真 2
作品発表後、コンサート会場にて音楽学部長であるDavid Rosenboom先生と

8ヶ月間という短い期間ではありましたが、初めて海外で生活してみて、音楽の勉強だけではなく自分自身の価値観や考え方の幅がとても大きくなったように感じます。

まず、語学については特に留学先に着いてからすぐに、向こうのVISA関連、保険、初期費用など重要な話をするので、まだリスニングが強化されないうちに何もサポートがなかったという点が一番苦労しました。しかし、初めての海外生活で不自由な点は全くなく逆に居心地の良い生活を送ることができ、また沢山の学校行事に参加する事によって現地の文化に触れる事が出来ました。しかし一番の文化交流は、現地の友人を作りその友人から紹介されたことや、会話から生まれる事が多かったです。多種多様な人種が入り混ざっている国で協調しながら生活するという事を肌で感じる事が出来たし、なにより話す言語に違いがあるだけでそこまで自分と離れた存在ではないという事を強く感じました。この経験は私の将来の場を国内ではなく世界単位で考えるきっかけとなり、自身の視野が広がったように感じます。

また留学を終えた後も、現地の友人や先生との交流もあり、またコンペティションなども海外のものに目を通す機会がとても多くなりました。論文など書籍においても英語で書かれている資料に積極的に目を通すようになりました。また何より英語を用いてコミュニケーションを取るという事に慣れたので、留学先(アメリカ)以外の国へ行った時も、現地の方とある程度コミュニケーションができるようになったし、学校に海外からゲストが来たときも英語を使って話す事ができ、自分の意見を相手に伝える事ができるようになりました。そして伝える事の大切さを日本語を話す時も意識するようになり、その点は留学前と留学後でとても変わったと思います。

最後に、この交換留学を終えて海外も視野に入れて生活していきたいという気持ちがいっそう強くなりました。特に私の研究テーマであるコンテンポラリーダンスにおいて日本ではまだ認知度が低く、海外で学び知識を身につける事が重要であると感じています。その第一段階としてこの交換留学はとても大きな一歩となり、海外で博士号を取得したいという次の目標ができました。その為に帰国した後も言語の勉強を続けています。

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