国立音楽大学

ウィーン音楽・演劇大学 Michael SCHNACK 先生のワークショップを開催しました

4/10(月)、11(火)に本学の交換留学提携校であるウィーン音楽・演劇大学 Universität für musik und darstellende Kunst Wien のマイケル・シュナック Michael SCHNACK 先生と、ウィーン市立音楽芸術大学 Musik und Kunst Privatuniversität der Stadt Wien のラルス・セニック Lars  SENIUK 先生が来日されました。
マイケル先生は、オペレッタ、合唱曲の作曲や音楽劇、リトミックの指導を、ラルス先生はジャズトランペット奏者として大学で教鞭をとられています。
二人の先生と学生たちの交流の様子をレポートします。

参加者の集合写真

ジャズのセッションに飛び入り参加!

即興演奏の授業

ジャズ専修2年生の「即興演奏」の授業では、ラルス先生がペンタトニックに関する即興演奏のセッションに参加。学生たちに交じってソロ回しを披露しました。池田先生とのセッションでは時折笑顔を見せながら自由に演奏する様子に、学生たちも聴き惚れつつ、ラルス先生の技巧的かつスマートなスタイルから学びを得ようと懸命に取り組んでいました。

ジャズセッションに参加

マイケル先生も授業を見学され、学生の演奏にも盛んに拍手を送っていらっしゃいました。
ラルス先生は翌日の「ビッグバンド」の授業にも参加され、学生たちとの交流をさらに深めていたようです。

リトミック×合唱とは?

ワークショップの始まり

4/11(火)には、合唱スタジオでマイケル先生のワークショップ「リトミック×合唱 ー声、動き&即興ー」が行われました。
ワークショップには音楽教育の学生を中心に声楽、管楽器、音楽情報をはじめ、50名を超える学生が参加しました。
ウォーミングアップとして、マイケル先生が「4拍子で自由に動いてみよう」「次は指揮をしながら動いてみよう」「今度は4拍でまっすぐ進んで、次から急に方向を変えて、友達を驚かせて!」と学生たちに呼びかけます。

音楽に合わせてステップする

最初は少し遠慮がちに動いていた学生たちも、次第に空間を大きく使って身体を動かしていくことに慣れ、伸びやかな動作に変化していくことが見て取れました。

シンコペーションのリズムパターン

次に、マイケル先生はシンコペーション(♪♩♪)を取り入れたいくつかのリズムパターンを提示します。「(リトミックを提唱した)ダルクローズは、クラップは音楽だけではなく、動きやエネルギーを指していると言った。短ー長のリズムを動きで表してみよう」と話すと、リズム打ちをしていた学生たちの手拍子に変化が。よりリズムの動きを強調するような手拍子に変わり、シンコペーションのリズムが際立ちました。
続いて、シンコペーションを取り入れた4つのリズムパターンを使い、手でリズムを打ちながら足で拍をとる、手で拍を打ちながリズム通りに歩くといった実践や、即興で4つのリズムに音程をつけて歌うといった実践を行いました。
緊張したり、難しいと感じたりして戸惑う学生もいましたが、マイケル先生は「即興で大事なことは音楽を止めないこと、間違えても気にしないこと。ミスを応用してみよう」と学生たちに語りかけ、積極的な参加を呼びかけていました。

合唱の様子

最後に、これまで実践を繰り返してきたシンコペーションのリズムが主体となった合唱曲に取り組みました。アーヴィング・バーリン『Slumming on Park Avenue』をマイケル先生が編曲した合唱曲で、4声に分かれて歌唱しました。20世紀初頭の初期のジャズのスタイルで書かれた曲のため「拍の捉え方は三連符を意識してみて。少しディレイをかけるようなイメージで」とアドバイス。学生たちは当初、楽譜を追うことで精一杯の様子でしたが、次第にハーモニーや音楽作りに積極的になり、マイケル先生から「このフレーズはトランペットのように!」と声が上がると、ラルス先生がトランペットでメロディを吹いてくださるなど、先生方と学生たちが一体となって作品を仕上げていきました。

2時間のワークショップの時間はあっという間に過ぎ、興奮冷めやらぬうちに終了しました。ワークショップに参加した安田大朗さんはダルクローズ・リトミック専門コースで学ぶ4年生。「先生方は気さくな雰囲気で、何より先生ご自身が楽しんでいらっしゃるのが印象的でした。トランペットとのセッションや、リトミックと合唱をどう繋げるんだろう?というワクワク感もあり、新鮮でした。楽譜がない状態からどうやって音楽を作るか、間違えても失敗じゃないなど、教員を目指す自分の糧になるような時間でした。」と話しました。

マイケル先生、ラルス先生より学生に向けて

ワークショップと授業への参加を経て、お二人の先生に学生や大学の印象、学生たちへのメッセージをいただきました。
コロナ禍において海外の協定校との交流が難しい時期もありましたが、今後、相互の交流が本格化することを願っています。

マイケル・シュナック先生
マイケル・シュナック先生

学生たちの音楽性、オープンさ、創造性にはとても感銘を受けました。くにたちのキャンパスもとても印象的です。美しいホール、練習室がたくさんあり、キャンパス自体がとてもオープンでどこにでもスペースがあるのが気に入りました。図書館にも、カフェテリアにもピアノがあって、すべてのスペースに音楽がある。素敵なことです。ジャズのクラスでは、学生たちのアンサンブルのセンスにも感銘を受けましたね。
学生たちは総じてとても勤勉でした。実はもう少しシャイな雰囲気かと思っていましたが、ポシティブでクリエイティブなエネルギーを持っていたことは私にとっては少し驚きでした。
とてもいい経験ができましたね。

ラルス・セニック先生

学生たちはとても親切で礼儀正しく、新しいことを学ぶことにとてもオープン。ジャズの即興演奏とビッグバンドのクラスはどちらもとてもクールでした。素晴らしい先生方、仲間たちに囲まれて、学生たちはとてもよく演奏していたと思います。
くにたちは設備も建物も美しいし、学食も美味しいです!
これからもっと学生たちと交流したいですし、ヨーロッパにも来てもらって私たちの教育も見てもらえたら、それは素晴らしいことだと思いましたね。

ワークショップのダイジェスト動画

本件に関するお問い合わせ先

国立音楽大学 広報センター
TEL.042-535-9500

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