木島タローさんによるレクチャー&ワークショップ「人はなぜ歌うのか?合唱の力 〜黒人霊歌・ゴスペルにみる「命のコーラス」の歴史〜」を開催しました
2019年2月4日、Power Chorusを主催し、本学リトミック専修卒業の木島タローさんによるレクチャー&ワークショップが行われました。
黒人霊歌やゴスペルについて、生きるなかで歌うこと、合唱の力について歴史的背景を交えながらお話してくださいました。
学生と一緒に歌い、踊り、熱気に溢れた2時間をレポートします。
生きるなかでの「歌」の力
アメリカで奴隷制度が続いていたなか、過酷な状況に置かれた人々はどうして生きようと思えたのか。
家族のため、そして、仲間と集まることが許されていたキリスト教の礼拝の時間があったから。
その時だけはみんなで歌って、踊ることが許されていた。
週1回、この限られた時間のなかで仲間と歌って、踊ることが生きる力となったと説明してくださいました。
そして、1865年、南北戦争の終了により奴隷制度は撤廃され、自由になった人々。
各々の生活のなかで、クラシックを学びジャズを始めた者、皮肉の要素を混ぜたブルース、次の1週間を生きるためのゴスペル…
黒人霊歌やゴスペルの歴史的背景を説明してくださり、そのなかでも、今回は生活音楽であるゴスペルを取り上げ、その力を感じてもらいたいと話す木島さん。
そして、木島さんが「We shall overcome」のレクチャーをしてくださいました。
We shall overcome
本場のゴスペルは楽譜を使用せず、人から人へと伝えていくそう。
ゴスペルは3声であること、そして、その理由について説明してくださり、学生をソプラノ、アルト、テナーに分け、木島さんが歌って見せ、レクチャーは始まりました。
今回レクチャーしてくださったのは伝統的なゴスペルであり、そのステップの踏み方、手拍子の仕方、表情の大切さを教えてくださいました。
最後に、全員で輪になって「We shall overcome」を合唱。
学生の表情からは歌って踊る楽しさが伝わってきました。
Power Chorusとは
ゴスペル型コーラスのスタイルを、宗教の枠から離れて行っていこうという音楽コンセプトのもと、一般社団法人パワーコーラス協会ができ、代表理事を務めている木島さん。
現在の活動内容を動画を交えながらご説明してくださいました。
パワーコーラスを名乗っているチームは25〜30チームほどあり、パワーコーラスを日本で一つの音楽ジャンルとして確立、認知される状態を目指しているとお話してくださいました。
どの国の歌を歌うにしても歴史的背景を理解することは大切であり、歌にメッセージを込めることも大切であることを伝えてくださり、質疑応答では時間いっぱいまで質問が飛びました。
最後に全員で写真撮影をし、2時間におよんだレクチャー&コンサートは終了いたしました。
木島さん、ありがとうございました!
木島タロー氏 プロフィール
在日アメリカ海軍契約ゴスペルミュージシャン。米ゴスペルシーンのヒットメーカー(MD Stokes)から3年間ゴスペルの手ほどきをうけ、20年にわたり在日米軍基地のいわゆる黒人教会での演奏、指揮を続ける。テレビコマーシャルやExileなどを含むメジャーの現場でコーラス指揮やアレンジとして活動の他、プロチーム、Dreamers Union Choir を率いての実績は、TBS番組主題歌などを含め豊富。全国各地で数十回にわたる100名規模のワークショップを行うい、レギュラーでも多くのクラスを指導する。
アメリカ最大規模の国際コンテスト「The John Lennon Songwriting Contest」のゴスペル/インスピレーショナル のカテゴリーで、FINALISTを受賞 (2016 Session II)。
自由の森学園中学/高校卒業、国立音楽大学教育科(リトミック専修)卒業。
東京経済大学ゲスト講師。国連英検A級