国立音楽大学

石丸幹二さんによるミュージカル特別講義を開催しました

本島阿佐子准教授(左)と石丸幹二さん(右)
本島阿佐子准教授(左)と石丸幹二さん(右)

2018年11月14日、俳優の石丸幹二さんのミュージカル特別講義を開催いたしました。

大学時代にサックスと声楽を学んだ石丸さん。大学での研鑽がその後のプロ活動にどう生かされたか、また、ミュージカルの舞台での表現方法やこれまでに出演された作品について、さらには、現在のソロアーティストとしてのコンサート活動等、質疑応答を交えながら、幅広くお話してくださいました。

貴重なお話が詰まった石丸さんの特別講義をレポートします。

司会:本島阿佐子(本学准教授)

劇団四季との出会いがミュージカル俳優を志したきっかけ

最初はサックスで音楽大学に入学した石丸さん。そこからどのようにミュージカル俳優を目指すようになったのかお話ししてくださいました。

小学生の時、鼓笛隊でスネアドラム、 吹奏楽部でトロンボーンを経験し、中学校では、強い興味を持ったサックスをはじめたそうです。高校のオーケストラ部ではチェロを弾いていましたが、最終的に、サックスで東京音楽大学に入学しました。大学3年生の時に、たまたまテレビでジェシー・ノーマン氏が歌っているのを聴き、その圧倒的な表現力に魅せられ、「ジェシー・ノーマンになる!」と声楽の道に進む事を決意したとおっしゃっていました。その後、東京藝術大学声楽科に合格。けれども徐々に、「外国語で歌唱するのではなく、歌詞の内容をダイレクトに聴衆に伝えたい、そのためには日本語で歌いたい」という欲求を持つようになります。「ならばミュージカルはどうか?」と先輩に勧められ、劇団四季に入団、まったくミュージカルを知らないまま、ミュージカル俳優を志すことになりました。

劇団四季のオーディションのお話やミュージカルでの声の出し方、使用する声の幅について、興味の範囲を広げて挑戦する大切さについて等お話してくださり、ミュージカル特有のシャウトをする際の秘訣についても教えてくださいました。 

表現の幅が広いことが演劇の楽しさ

石丸さんが出演された作品『パレード』『ジキル&ハイド』について実際の映像を交えながら石丸さんご自身が解説してくださいました。

劇団四季に所属していた17年間は「ミュージカル界の貴公子」と言われ、颯爽とした役を演じることが多かった石丸さんですが、退団後は、二面性を持つ役、敵役等幅広く演じてきました。

歌詞の内容を、ただ文字通りに解釈するのではなく、その言葉の裏の想いを読み取らねばならないと、石丸さんはお話しされました。例えば、「私は嬉しい」と言っても、“嬉しい”という言葉の裏で“悲しい”と表現することもある。死の淵で「ありがとう」と言っていても、実際は痛くて痛くて仕方がない。でも、「ありがとう」という言葉が上にあり、これがお客さまに届けば成功であるとおっしゃっていました。

演劇は、表現の選択肢が幅広く、どれが正しい、どれが間違っているということはないし、演劇の楽しさは色々な表現ができることにあるとお話しされていました。

次作「ラブ・ネバー・ダイ」にも話は及び、本作ではファントム役を演じる石丸さん。石丸さんのデビュー作品である「オペラ座の怪人」の10年後の設定の作品で、ファントム役の役作りについてもお話ししてくださいました。

可能性はいっぱい。ゴールを決めないで。

質疑応答

あっという間に時間は過ぎ、最後の30分間は、質疑応答が行われました。

人間ではない役をやる時はどう役作りをするか。
オーディションの経験談、アドバイス。
大学時代にやっておくと良いこと。
風邪をひいて歌わなければならない時どうしているか。
舞台中何を考えて演じているのか。

などなど…

時間内に収まらないほど、多数の質問があり、石丸さんも一つ一つ丁寧にお答えしてくださっていました。

 

最後に、ミュージカルを志す学生に石丸さんよりメッセージをいただきました。

ミュージカルを志している方には憧れや好きという気持ちがあると思います。
なぜ好きなのか自分に問いかけてみてください。漠然と進むべき道が見えてきます。
今後、いい作品、世の中で評価されている作品を観ること。また、あまり評価されていない作品も観ること。
可能性はいっぱいあるので、ゴールを決めないで、何をやったら次のステップにいけるか、
世界に飛び出していけるかに集中して学生生活を送ってみてください。

学生は熱心にメモを取りながら聞いており、普段は聞けない貴重なお話が詰まった講義となりました。
今回の特別講義を通し、現在学んでいることの意義、これから学んでいくと良いこと、自分の将来について…改めて向き合う機会になったかと思います。

石丸さん、ありがとうございました。

『ラブ・ネバー・ダイ』公演概要

公演日程   2019年1月15日(火)~2月26日(火)
 会場  日生劇場
チケット取扱い先   日生劇場窓口販売(10:00〜18:00)
 詳細は公式Webサイトをご覧ください。
お問い合わせ先   ホリプロチケットセンター 03-3490-4949
 平日10:00~18:00 土曜10:00~13:00 日祝休)

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