佐川吉男音楽賞贈賞式がとり行われました
去る9月10日(月)、日本工業倶楽部(千代田区丸の内)にて「第16回佐川吉男音楽賞」の贈賞式がとり行われました(佐川吉男音楽賞の受賞に関しては先のニュースをご覧ください)。
本学からは武田学長と作曲専修代表の今村央子教授が贈賞式に臨みました。
式ではまず佐川吉男先生のご功績と佐川吉男音楽賞について選考委員の佐藤克明先生よりお話をいただいた後、選考経過について選考委員の関根礼子先生よりご説明いただきました。選考について同じく選考委員の白石美雪先生からも、「優れた現代音楽の公演は年に何回かありますが、教員も創造性を発揮し、学生、卒業生を交えた演奏も素晴らしく頑張っていました。聴きに来ていた人たちも、よく現代音楽の演奏会にある中高年の方々、そのような昔から興味を持っている方もいらっしゃいましたが、それだけでなく、若い世代の人が関心を持って聴いていた、その点に意義があると感じられました。プログラム全体がよかったのですが、特にブーレーズの《レポン》は生きている間に何回聴けるか(笑)という作品なので、個人的にも聴かせていただいてよかったと思っています」とコメントを頂きました。
次に、受賞者の言葉として武田学長は、「本学はかねてよりアンサンブル教育に力を注いでおりますが、それと同時に現代に生まれ、現代に生きる作品と向き合う音楽活動も積極的に行っております。一見耳馴染みの少ない同時代の作品は、巷の演奏会で取り上げられる機会は多くはありません。それらの作品を積極的に取り上げ、生きた音として人々に提供する事は、教育機関でもあり、また研究機関でもある音楽大学の使命であると考えております。今回賞をいただきました『ブーレーズとのレスポンソリウム』は、本学80周年を機に始まった『聴き伝わるもの、聴き伝えるもの』シリーズの第12夜となります。ブーレーズ《レポン》の改訂版日本初演を中心としたプログラムに、作曲専修、コンピュータ音楽専修、弦管打楽器専修の学生、卒業生、教職員が一丸となって協力し、記念碑的なコンサートとなりました。非常に難易度の高いプログラムを経験して、学生達が飛躍的な成長を遂げた事、そしてその企画と演奏について、今回のような栄誉ある賞を頂けた事、音楽大学としてこの上の喜びはございません。」と述べ、関係各位に感謝を申し上げました。
本学ではこれからも研究教育機関として、同時代の作品を積極的に取り上げ、世界の音楽文化の発展に貢献して参ります。