JASRAC寄附講座 聴講募集
国立音楽大学では、2017年度後期にJASRAC寄附講座「音楽著作権法入門」を実施します。本講座は国立音楽大学音楽学部の教養科目として開設され、今年度は下記の対象となる方々にも聴講いただけます。
音楽大学で初めて実施されるJASRAC寄附講座となる本講座では、音楽の現場に密着した現場サイドから、音楽著作権について幅広く学びます。講師には各界で活躍する有識者をお呼びいたします。
講義日時
9月8日(金)〜12月15日(金)【全14回金曜日開催】16:20〜17:50
場所
国立音楽大学5号館2階219教室
対象・募集人員
1または2に該当する方
- 多摩アカデミックコンソーシアム(TAC)加盟大学(国際基督教大学、東京経済大学、津田塾大学、 武蔵野美術大学、東京外国語大学)の学生(30 名・先着順 ※単位認定の対象外)。
- 立川市、国立市に在住もしくは在勤者で音楽活動や指導をされている方(30 名・事前の書類選考有)。
※いずれも 14 回中、10 回以上参加できる方に限ります。
お申込み締切
7月24日(月)必着
聴講の可否について、1. は否の場合のみ、2. については全員の方に8月22日(火)までに郵送(またはEメール)にてご連絡いたします。
お申込み方法
聴講申込書を以下よりダウンロードしていただくか、下記宛にご請求いただき、申込締切日までにメール、ファックス、郵送のいずれかでお送りください。
講義内容
第1回(9月8日):JASRACの仕事 【中戸川 直史(JASRAC常任理事)】
音楽著作権を管理する非営利団体JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)の業務・組織について知ることで、著作権集中管理の意義、音楽ビジネスの基本となる著作権の重要性への理解を深めます。
- 講義要約(pdf/152kb)
第2回(9月15日):法律としての音楽著作権法を学ぶ 【山口 裕博(桐蔭横浜大学教授)】
著作権法は、著作物の創作行為とその社会への伝達行為により発生する様々な権利を中心に規定していますが、歴史的には比較的新しく、既存の法律、特に民法の考え方を借用する一方、それとは別の仕組みを発展させており、この点を軸に検討します。
- 講義要約(pdf/254kb)
第3回(9月22日):裁判事例から学ぶ 【神谷 信行(弁護士)】
「盗作」が争われた日米の裁判事例を取り上げ、音源を聴きつつ、「盗作」の法的要件と具体的事実認定、音楽的知識について参考意見を述べる「専門委員制度」とその問題点について検討します。
- 講義概要(pdf/198kb)
第4回(9月29日):音楽創作の現場から学ぶ ー その1 【小沼 純一(早稲田大学教授)】
古楽から現代音楽までのいろいろな例を引きながら、使用・借用・引用といった切り口で「つくられたもの」を扱っていきたいと思います。歴史的に、というよりも、歴史のなかの例を行き来しながら、となるでしょう。
- 講義概要(pdf/156kb)
第5回(10月6日):音楽創作の現場から学ぶ ー その2 【小沼 純一(早稲田大学教授)】
第4回を踏まえたうえで、より発展的なものとして、編曲・翻案・演奏を考えてみたい。「つくり手」「つくられたもの」を介在させつつ、「演奏」行為を俎上にのせる意味も扱いたいと思います。
- 講義概要(pdf/174kb)
第6回(10月13日):音楽科教科書と著作権 【今井 康人(教育芸術社)】
教科書や指導書に掲載される著作物とそれらの権利状況、著作物を利用する場合の手続きと著作権法第33条との関係を解説します。加えて、教科書準拠の教材の著作権処理の現状についても触れます。
- 講義概要(pdf/181kb)
第7回(10月20日):音楽著作権を学ぶ意味 【久保田 慶一(国立音楽大学教授)】
前半6回の講義と後半6回の講義の「インテルメッツォ(間奏曲)」として、前半の講義を振り返り、また後半の講義を先取りする形で、著作権を学ぶ意味について、特に大学生期に学ぶことの大切さについて考えてみたいと思います。
- 講義概要(pdf/445kb)
第8回(10月27日):学校教育の現場から学ぶ 【新井 恵美(宇都宮大学准教授)】
学校現場では、文化祭、運動会、合唱コンクール、校内放送、音楽の授業といったように、音楽の著作物を利用する機会がとても多くあります。それぞれの場面について、著作物の適切な利用の仕方を考えます。
- 講義概要(pdf/233kb)
第9回(11月10日):音楽出版から学ぶ 【韓 貴峰 (音楽之友社著作権管理室)】
音楽出版の原点ともいえる「楽譜」。その企画立案から刊行に至るまでの概要を紹介しながら、楽譜出版社が「版面にも固有の権利創設を」と主張し続けている根拠等にも触れます。
- 講義概要(pdf/245kb)
第10回(11月17日):研究発表の手続きと音楽著作権 【宮澤 淳一(青山学院大学教授)】
学術論文やレポート、口頭発表を準備する場合の楽譜、歌詞、図版、音源、映像等の適切な扱い方を考えます。研究者が文献や資料全般を扱うときの根本的発想や約束事を確認し、音楽著作権の問題とすりあわせてみます。
- 講義概要(pdf/530kb)
第11回(11月24日):インターネット時代の音楽著作権ーその1【八木 良太(尚美学園大学准教授)】
音楽配信、動画共有、SNSといったインターネットサービスと著作権の関係について考察するとともに、インターネット時代の著作権管理方法や、著作権侵害行為に対する制度的対応(ダウンロード違法化など)について学びます。
- 講義概要(pdf/340kb)
第12回(12月1日):インターネット時代の音楽著作権ーその2【八木 良太(尚美学園大学准教授)】
世界最大の音楽配信サービス「スポティファイ」を取り上げ、同サービスのビジネスモデル、権利処理(使用料の分配含む)、収益モデル、違法ダウンロードへの影響等について解説し、ビジネス的観点から著作権を考えます。
- 講義概要(pdf/335kb)
第13回(12月8日):「JASRACとつながろう」 【武部 聡志(音楽プロデューサー)】
音楽プロデューサー・創作者としての立場、音楽出版社代表としての立場から、創作活動や音楽著作権ビジネスについて解説し、さまざま角度から音楽業界の現状を考えます。
- 講義概要(pdf/891kb)
第14回(12月15日):公開討論会「音楽著作権法の将来」
パネリスト:
世古 和博(JASRAC常任理事)
神谷信行(弁護士)
新井恵美(宇都宮大学准教授)
司会:
久保田慶一(国立音楽大学教授)
全13回の講義の総括をした後、音楽著作権をめぐる現代的課題について、TPP、替え歌、東京オリンピック・エンブレムなど、最近の話題を中心に討論します。質疑応答の時間も入れたいと思います。
お申し込み・お問い合わせ
国立音楽大学コミュニティ・ミュージック・センター(KCMC)
〒190-8520東京都立川市柏町5-5-1
E-mail: kcmc@kunitachi.ac.jp FAX:042-534-3207
TEL: 042-535-9535(演奏センター内)