鐘の音色にくつろぐ二人のイラストレーション
History

-トピックでひもとく-
アンサンブルの
くにたち

V

Ensemble

2011-

ハイグレードな音楽環境と 
自然環境との共生をテーマに 
新1号館竣工

新1号館 オーケストラスタジオ

音楽大学の中枢ともいえるレッスン室、スタジオ等を擁する建物の大規模な建設計画から約20年後の2011(平成23)年、新1号館が竣工します。オペラ、合唱、オーケストラの各スタジオ、打楽器演習室、電子オルガン演習室を含む12のアンサンブル室、108のレッスン室を備え、学生はこの優れた音響空間と音楽環境の中で、自由に、そして自主、自律の精神をもって成長していきます。

新1号館は、最新の耐震技術を取り入れるなどハイグレードな校舎であり、構内の樹木を生かした屋上庭園など、自然との共生も図っています。外観はピアノを模した階段状の造形で、内装には作曲家の貴重な楽譜を使ったデザインをあしらうなど遊び心にもあふれ、グッドデザイン賞を受賞しました。

また、この建設のために伐採された中庭の樹木は、2025年に楽器学資料館の「くにおんフォルテピアノ」の一部として生まれ変わっています。

音楽を通した社会貢献や 
大学等との協定 
新商品開発の研究協力にも注力

滋賀大学との連携協定(左 梅本実学長と右 竹村彰通滋賀大学学長)
2010年発売のボイスケアのど飴(写真は2026年のパッケージ)

本学では音楽を通じ、社会貢献や大学等との連携協定、企業の新商品開発の研究協力にも力を注いでいます。

青少年の健全育成と地域の未来を支えることを目的に幅広い活動を行う(公財)青梅佐藤財団は、2009(平成21)年より本学のオーケストラとブラスオルケスターの演奏会を主催し、継続的な支援を行っています。2020年には包括連携協定を結び、共に地域の発展と人材育成のため活動に取り組んでいます。

2023年には、滋賀大学と連携協定を結びます。この年、本学ではデータサイエンスを主軸とした科学的手法で音楽分析を行う「音楽データサイエンス・コース」を創設しました。そこに「データサイエンス学部」を持つ滋賀大学の知見と実践的プログラムを加え、新たな知の領域を広げていくことが期待されています。

またカンロ株式会社の新商品の開発協力という本学ならではのユニークな例もあります。声楽の小林一男教授がのどに良い成分を助言。学生の意見を取り入れながら試作を重ねた結果、新たなのど飴が誕生しました。この「ボイスケアのど飴」はロングセラー商品となっています。

「音楽を楽しむ食堂」 
7号館が竣工

学生食堂が入る7号館(2018年竣工)

2018(平成30)年、旧1号館の跡地に7号館が竣工されます。1階には、学生食堂や売店、2階には大学主催の講演会等に利用できる会議室のほか学生の課外活動の場として利用できる多目的室、自習にも使えるカフェラウンジがあります。

そして、学生が自由に仲間たちや教員と一緒に音楽を創造する喜びを分かち合えるよう、1階食堂の中に、演奏発表や集会の場として利用できる開放的なステージを設けました。学生が多く集う昼休みには仲間たちと音楽を楽しむ光景が広がっています。

学生の進路選択変化に 
寄り添うキャリア支援

「良識ある音楽家、教育家の育成」の理念のもと、本学は音楽家や音楽教育者を多く輩出してきました。特に音楽科教員になる者は多く、本学の強みとなっています。一方年々、学生の就職・進学先は多様化し、「就職支援」から「キャリア支援」へと重点を移した取り組みが必要となりました。

2009(平成21)年、文部科学省の「平成21年度大学教育・学生支援推進事業」に採択されたのを機に、「卒業生のデータベースを活用した音大生のためのキャリア形成支援」として調査、分析を行います。その結果、自らの力でキャリアデザインや目標を形成する力、自己能力開発できる力の習得が必要と考え、キャリアに関するあらゆる角度からの公開講座やシンポジウムを開催してきました。2011年にはキャリアカウンセラーを置き、相談体制も強化しました。そして2025年度からは、「キャリアデザイン」科目を開講しています。

現在、本学の学生は、音楽の専門知識と技術を持ち合わせているだけでなく、その過程で得られる他者との調和・協調力(オーケストラ、アンサンブル)、忍耐力(日々の練習)、表現力、独創力など多様な力も身につけています。こうして培われた目標達成力、継続力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力を生かし、各方面で活躍しています。

「コロナ禍」への迅速な対応と 
ICT化環境への飛躍的な整備

コロナ禍におけるオーケストラ定期演奏会(2021年・第九)
合唱団はマスク着用

2020(令和2)年1月30日のWHOによる新型コロナウイルスへの緊急事態宣言により、世の中は一変、キャンパスライフにも大きな影響を及ぼしました。本学でも、3月の演奏会は関係者のみの限定公開、4月の入学式は中止、当面休校措置となりました。同月7日、政府による緊急事態宣言によって、長期化が懸念され、オンライン授業環境の整備が急務となります。

そこでICT化を急ピッチで進めた結果、5月11日にはオンライン授業を開始できました。宣言解除後の6月8日に、他大学に先駆けて対面での個人レッスンを再開したのは、教職員たちの合言葉であった「学生の学びを止めない」を実現したものです。

その後も、学生の利便性を高めるための練習室予約のオンライン化を実施。さらに、業務効率化のための事務局への各種業務システムの導入など、附属校も含めたWi-FiやICT関連施設の環境が飛躍的に進みました。

進路の多種多様化へ対応すべく 
新コースをフレキシブルに追加

2021年度くにおんミュージカル『いのちの森』(本学オリジナル作品)

社会状況に応じた音楽環境の変化、そして学生の就職・進路の多様化を踏まえ、本学では新たなコースを開設してきました。2013(平成25)年度に「ジャズ研究コース」(現:「ジャズ・コース」)、2018年度に「ミュージカル・コース」、2023年度に「音楽データサイエンス・コース」を新設しています。

ミュージカル・コースでは、「くにおんミュージカル」を立ち上げ、『サウンド・オブ・ミュージック』や『回転木馬』などブロードウェイの古典のほか、本学オリジナルの作品も上演しています。

生涯にわたって音楽を学べる 
「くにおんアカデミー」

サマー・ミュージック・セミナー クラシックピアノ講座(2024年・講師:久元祐子)

本学では、「夏期音楽講習会」や「音楽教室」を運営し、音楽を学びたい、楽しみたい、という幼児からおとなまでを広く受け入れてきた歴史があります。

一時休止していた「音楽教室」は、昨今の「人生100年時代」を背景に、リスキリングや生涯教育への関心の高まりに応じ、“一生涯音楽を学べる環境”の場へと生まれ変わりました。

さらに、2019(平成31)年に開設した「ディプロマ・コース」と、戦前から続く「夏期音楽講習会」(現:「サマー・ミュージック・セミナー」)とを合わせ「くにおんアカデミー」として再構成しました。2021年には、「ジュニア・ミュージック・アトリエ」「おとなのためのミュージック・アトリエ」を開設します。子どもからおとなまで、一人ひとりが実現したい音楽の楽しみを引き出す場として活動しています。

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