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名建築と学ぶ〜前川建築とくにおん
第二十三弾『最終回』

本学のキャンパスの中で、(株)前川國男建築設計事務所(現:(株)前川建築設計事務所)の設計によるものは、これまでにご紹介してきた講堂や校舎だけではありません。

春には満開の桜で卒業生を送り出し、また新入生を迎え入れてくれる本学の正門アプローチも、前川の設計によるものです。
桜を植え、緩やかなカーブの先に正門とキャンパスが見える作りにしたことで、キャンパス内を外部の視線から保護すると同時に、学生や教職員を自然に迎え入れる導線にもなっています。

学生や教職員たちが普段何気なく歩いている、正門アプローチからキャンパス全体に敷かれた赤茶色のレンガの地面も、前川國男建築設計事務所とのキャンパス整備の中で採用されたもので、その前まではアスファルトの道路がむき出しの状態になっていました。

今では本学の風景としてすっかり馴染んでいます。

桜の季節が過ぎ夏が近づくと、本学は緑に包まれます。

正門の桜も、銀杏寮のカエデも、校舎へ続く道に並ぶイチョウも鮮やかな緑に色付き、キャンパス全体に生き生きとした雰囲気を作り出してくれます。

秋・冬にはそれらが赤や黄色に染まり、おそらく本学の1年の中で最も色鮮やかな景色へと変わります。

この時期には毎年何人もの学生や教職員が、美しく染まったイチョウ並木やカエデを写真に納めて、国音ならではのこの景色を楽しんでいます。

そして再び春が巡ってくると、桜のアプローチが学生たちを送り出し、また、迎え入れます。


本学の前川建築群は、おそらくこれまで「知る人ぞ知る前川建築」として一部に知られるのみで、ほとんどの学生には特に前川建築であることは意識されることなく、彼ら、彼女らの日々の成長を見守ってきたと思います。

しかし名建築の条件は、有名な建築家が設計したことではなく、建築ファンが多いことでもなく、その建物を使う人々の生活と記憶に溶け込み、長く必要とされ、長く必要とされているゆえにきちんとメンテナンスされていることだと思います。

その意味でも、多くの建物が竣工から40年以上経っているにもかかわらず、建物自体はもちろん、その中の家具や備品に至るまで、竣工当時からほとんど印象を変えることなく大切に使われ続けており、そしてそれゆえ卒業生たちが久しぶりに校舎の建物を見た時に、多くの記憶を思い出させる本学の前川建築は、間違いなく名建築だと言えます。

今回まで全23回に渡り、本学の前川建築の魅力を発信してきました。
本学では年間を通じて多くの公演・イベントをこのキャンパスで開催しています。

この企画をご覧になって懐かしく思われたみなさんは、ぜひ久しぶりに本学を訪れていただき、当時は気が付かなかった本学の新しい魅力に触れてみてはいかがでしょうか。


そしてこの企画をきっかけに本学を知ってくださったみなさんは、ぜひ本学の公演やイベントを機にお越しいただき、写真では伝わりきらなかった、学生たちと共に生き生きとしている本学の前川建築をご覧ください。

本投稿をもちまして、連載をお届けしてきた特別企画「名建築と学ぶ〜前川建築とくにおん」は最終回を迎えます。これまでご愛読いただき、誠にありがとうございました!

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