名建築と学ぶ〜前川建築とくにおん
第十八弾『前川建築共通のディティール』
国内のいくつかの前川建築には、共通して見られるディティール(細部)の特徴があります。
今回は、本学の前川建築の中でこれまでご紹介しきれなかった、前川建築らしさを味わえるディティールをご紹介します。
まずは、本学の講堂や6号館の扉につけられた手すりです。
多くの前川建築では、手すりやドアノブにもこだわりが見られますが、本学の前川建築においても、他の前川建築でも共通して見られるこだわりの手すりが使用されています。
講堂では、正面の入り口など、外と建物をつなぐ扉には金属製の手すり、ホワイエからホールへ入るなど、建物内の扉には木製の手すりが多く使われています。
金属製の手すりも全て同じ型ではなく、例えば正面入り口の扉に設置された金属製の手すりと、中庭と廊下をつなぐ扉に設置された金属製の手すりとでは、大きさや長さが微妙に異なっています。
次回講堂にお越しになった際には、ぜひ手すりの型にもご注目ください。
前川建築で見られる木製の手すりには、中央が細くなっているくびれのある形のもの、逆に中央が太くなっている形のもの、まっすぐな形のものなど微妙に違いがありますが、本学においては、主にくびれがある形の手すりが使用されています。
建物の外に設置された照明にも、他の前川建築でも見られる共通点があります。
中庭などに設置されたキノコ型の照明や、壁に設置されたH型の照明がその代表的なもので、講堂の中庭に立つと、穴の空いた打ち込みタイルの壁や、第16弾でご紹介した信楽焼(しがらきやき)の椅子とともに、いかにも前川建築らしい風景を作り出しています。
次回の配信は5月28日(木)を予定しています。どうぞお楽しみに!