吉田翠:元国立音楽大学附属中学校・音楽高等学校教諭(ピアノ)
創立100周年おめでとうございます。2026年、私も100歳を迎えます。在学時代の思い出を少し書かせていただきます。
国立の富士見通り沿いにあった校舎は、林に囲まれていました。国立駅には1台の人力車が止まっており、先生方を乗せて校舎まで行ったり来たりしていたのを覚えています。台湾、韓国からの留学生も何人かいて、韓国の男子学生が林の中で歌っていた美声に聴きほれました。第2次世界対戦中には学徒動員。疎開をしていた学生、故郷に帰っていた学生以外で東京に残っていた学生達は、立川の工場へ行きました。その後、国立の校舎内の教室に工場ができ、そこで雲母をより分ける作業をしました。そんな中でもレッスンは続いていました。厳しくも楽しい学校生活でした。