国立音楽大学

20世紀前半アメリカ音楽 研究部門 (ガーシュイン・プロジェクト)

2018年度 20世紀前半アメリカ音楽 研究部門 (ガーシュイン・プロジェクト)

趣旨

ジャズの台頭、録音・放送メディアや映画音楽の発達、消費的音楽文化の興隆といった条件がそろって出てくる 20世紀前半のアメリカは、音楽文化史上の重要な転換点であり、今日の音楽文化の基礎を作った、とても重要な存在です。しかしこの時代のアメリカ音楽は、必ずしも十分に調査・研究が行われているとは言えません。
本研究部門は、この時代の音楽文化を「現代のはじまり」として尊重し、その実態を把握するために文献・録音・映像等の資料や楽譜の調査を行うとともに、その成果を生かした演奏実践を行うことを目的として2015年度に開設されました。

初年度は、ガーシュインの名曲《ラプソディー・イン・ブルー》の初演時の姿を再現する試みを中心に活動し、2年目の2016年度は、「シンフォニック・ジャズ」と呼ばれる音楽を中心にすえながら、ミュージカルや映画音楽など、ひろく 20世紀アメリカ文化における音楽の諸相を研究、2017年度は、今年生誕100周年を迎える作曲家・指揮者レナード・バーンスタインの活動を振り返り、その全容を再認識するとともに、初期の劇音楽《ピーター・パン》の日本初演を行いました。
そして本部門の最終年度となる2018年度は、「歴史の中のアメリカ音楽」をテーマに、なるべく幅広い視野からアメリカ音楽のさまざまな局面を歴史的に位置づけ、アメリカ音楽が歴史の中から何を受け継ぎ何を付け加えたのか、またアメリカ音楽の中にどう歴史が反映されているのか、を考えたいと思っています。

主な活動内容

  • 研究成果は、おもに論文や書籍などの形で公表します。
  • 研究成果の公表の一環として、公開講座や演奏会を行います。
  • 公開講座は、次の2つのシリーズで行います(詳細は別項参照)。
    • 講座1「歴史の中のアメリカ音楽」(講義形式)
    • 講座2「アメリカ音楽を歌って踊ろう」(歌とダンスのワークショップ)
  • 演奏会は次の通りです。
    「国立音楽大学音楽研究所 20世紀前半アメリカ音楽研究部門コンサート
    《模索から浸透へ:花開くアメリカ音楽》」
    • 日時・場所:2019年3月10日(日)15時開演 国立音大講堂大ホール
    • 演奏:工藤俊幸(指揮)クニタチ・フィルハーモニカーほか
    • 曲目(予定):
      • G.アンタイル: ジャズ・シンフォニー(1955年版)
      • W.G.スティル: アフロ=アメリカン・シンフォニーより
      • F.グローフェ: ミシシッピ組曲
      • G.ガーシュイン: ミュージカル「ガール・クレイジー」より
      • H.アーレンほか: ミュージカル「オズの魔法使い」(演奏会形式) 

講座1「歴史の中のアメリカ音楽」

19世紀まで、アメリカ音楽といってもスタイルの上ではヨーロッパ音楽とあまり変わらないものが多かったのですが、20世紀に入ってジャズが台頭しはじめる頃から次第に「アメリカらしさ」が意識されるようになり、それはまず「特別なもの」としてヨーロッパの音楽にも影響を与え、さらには普遍的かつ当たり前のものとしてさまざまな音楽に浸透していきます。講義形式のこの講座では、20世紀アメリカ音楽がいかに「アメリカらしさ」を自覚し追求していくか、という問題意識を核としながら、さまざまな角度からアメリカ音楽文化を歴史の中に位置づけ、アメリカ音楽が歴史の中から何を受け継ぎ何を付け加えたのか、またアメリカ音楽の中にどう歴史が反映されているのか、を考えます。前期と後期の最後に室内楽や器楽を中心とした演奏会、年度末の3月にはオーケストラやダンスを伴う演奏会も予定しています。

開催日時:
年間14回。原則として隔週金曜の午後6時~7時半。具体的な予定は募集要項参照。
会場:
国立音楽大学6号館(AVセンター)113スタジオ。
参加資格:
音楽大学の授業に対応できる理解力を有するもの。なお、国立音楽大学大学院の学生には「プロジェクト」という科目の授業として扱われます(通年2単位)。
受講料:
国立音楽大学の学生・大学院生は無料、それ以外の方は年間4万円。
定員:
30名程度。

講座2「アメリカ音楽を歌って踊ろう」
ミュージカル・ナンバーなど20世紀アメリカ音楽を中心にした、歌とダンスのための連続型ワークショップです。ガーシュインの初期作品《ガール・クレイジー》や映画『オズの魔法使い』の曲を中心に練習し、3月の演奏会に出演することを目標とします。本年度から国立音楽大学の学部に新設されたミュージカル・コースの学生たちも参加します。

開催日時:
年間28回。原則として毎週金曜の午後6時~7時半。具体的な予定は募集要項参照。
会場:
国立音楽大学6号館(教育センター)201教室。
参加資格:
音楽大学の学生またはそれと同等の読譜力、歌唱力を有するもの。
必要に応じてオーディションをする場合があります。
国立音楽大学大学院生の参加は可能ですが、この講座は大学院の授業としては扱いません。
この講座の受講生は「講座1」を無料で受講することができます。
外部受講生の方は「講座1」を無料で受講することができます(当該日の「講座2」は欠席となります)。
受講料:
国立音楽大学の学生・大学院生は無料(実費のみ)、それ以外の方は年間4万円。
定員:
最大15名程度まで(希望者多数の場合初回に選抜を行います)。

募集要項

募集要項は下記PDFをダウンロードの上、ご覧ください。※現在募集は行っておりません。

メンバー

主任所員 吉成 順(教授)
所員 栗山 和樹(教授)
林 千代(教授)
本島 阿佐子(准教授)
谷口 昭弘(講師)
松永 さち代(講師)
山内 のり子(講師)
客員所員 池原 舞
早坂 牧子
研究員 中村 有里
渡辺 菜月
事務助手 川辺 茜

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