ブックタイトル国立音楽大学 大学案内 2017
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国立音楽大学 大学案内 2017
音楽文化教育学科 Department of Music Cultures & EducationChapterIII55column日本音楽療法学会は音楽療法を、「音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」と定義しています。どういうことでしょうか? まず音楽にはさまざまな治療的作用があることが書かれています。次に、そうした音楽の働きをどんな目的で生かそうとするのか示されています。障害や病気だけでなく、人は実にさまざまな困難を抱えています。それらを少しでもよい方向にもっていくために、音楽療法士は単に歌い演奏するのではなく、目的に合わせて計画的かつ柔軟に(つまり臨床的に)音楽提供するのです。人間関係も重要です。難しいですが大変やりがいのある仕事です。好きな「音楽」と「人のために」が両立できる分野です好きな歌を続けながら、誰かのためになることがしたい。そんな思いから、音楽療法という仕事にたどり着きました。大学での授業はどれも自分にとって新しい知識ばかり。専修は少人数制なので、仲間とは何でも相談し合えるいい関係ですし、現場で活躍中の先生方からも直接お話が聞けます。歌唱・楽器・身体活動についての技能を身につけた上で、具体的にどうするかは療法士次第。対象者のニーズに合わせた内容を模索します。そのためには演奏技術も含めて自分のスキルアップは欠かせません。日本ではまだまだ認知度の低い分野ですが、音楽療法は社会で必要とされるやりがいのある仕事だと思います。Message 学生メッセージ矢野 咲貴 さんYANO Saki音楽文化デザイン学科 音楽療法専修 4年香川県・市立高松第一高等学校出身音楽療法専修音楽療法士コース*音楽文化デザイン学科 音楽療法専修は、2014年度入学生より音楽文化教育学科 音楽文化教育専攻 音楽療法専修となりました。音楽療法専修日本伝統音楽表現|邦楽( 三味線、雅楽、箏、囃子のいずれか)の基礎的な演奏法を学びます。囃子は長唄囃子の笛、小鼓の奏法を学ぶことにより、日本音楽固有の様式や表現を知ります。楽器の構造や組み方、構え方などから始め、最終的には古典長唄曲を通して演奏することを目指します。音楽療法研究|音楽療法の臨床現場で音楽療法士に要求されるのは、クライアントのニーズを正確に理解し、瞬間瞬間のクライアントの表現を支え、引き出し、寄り添い、導くこと。授業では、即興体験やディスカッションを通して、自らの音楽的自己を意識化することから始めます。そして「コミュニケーションとしての音楽の可能性」をさまざまな角度から模索します。音楽療法とは?